高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し安全対策のご提案をしています。
この記事では「労働安全衛生規則」について解説します!
ぜひご参考にしていただければと思います。
突然ですが、「労働安全衛生規則」をご存知でしょうか?
労働安全に関する法律や政令、省令について理解し、遵守することは極めて重要なので経営者、労働者双方に理解しておいてほしい省令です。
この記事では、労働安全衛生規則について基本的な概要を紹介します。
高所作業をする際に押さえておきたいポイントも取り上げますので、ぜひ参考にしていただければと思います。
労働安全衛生規則とは
労働安全衛生規則(安衛則)とは厚生労働省によって出された省令の一つです。
【労働者の安全と健康のためにどのような作業環境にすれば良いか】が具体的にまとめられています。
企業が、労働環境の改善や労災の発生防止に努めるための基本指針と言えるでしょう。
労働安全衛生法・労働安全衛生法施行令との関係
労働安全衛生規則と並び、労働衛生関連では労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令がよく話題になります。
どれも政府機関によって出されていますが、位置付けには違いがあります。
労働安全衛生法は、憲法の下位に位置付けられている法律として労働環境や衛生環境についての基本的な規則がまとめられています。
その下位に位置するのが、労働安全衛生規則と労働安全衛生法施行令です。
労働安全衛生規則は厚生労働省が発令した省令なのに対して、労働安全衛生法施行令は内閣が出した政令です。
労働安全衛生法と労働安全衛生法施行令
- 労働安全衛生法…厚生労働省が出した省令
- 労働安全衛生法施行令…内閣が出した施行令
労働安全衛生法の内容に基づいて政令として施行令が発令され、その実施方法としてさらに具体的な内容に仕上げたのが労働安全衛生規則と考えると良いでしょう。
労働安全衛生管理をする上では、労働安全衛生規則を参考にすると実際に何をすべきかがわかりやすくなります。
労働安全衛生規則の構成
労働安全衛生規則は第一編~第四編の構成になっています。
それぞれの編について章立てされていて、具体的な業務と関連する基準が設けられています。
労働安全衛生規則の内容について概観しておきましょう。
通則
通則では安全衛生管理体制や就業制限、健康保持増進措置などについての詳細が定められています。
企業として労働者が、安全に働ける環境を整えるための基本事項が明示されている部分です。
安全管理者や衛生管理者の設置や安全衛生教育の実施などについて明記されています。
資格や技能についても言及されていて、危険を伴う作業には有資格者や技能講習の受講者でなければ従事させてはならないと定められています。
安全基準
安全基準では具体的な業務に応じ、どのような危険防止措置を取る必要があるかをまとめています。
使用する機械や作業内容によって細かく規定が定められています。
機械による危険の防止、爆発や火災の防止、通路や足場などについての規則などが典型例です。
さらに墜落、飛来崩壊等による危険の防止として高所作業に関連する内容も盛り込まれています。
衛生基準
衛生基準では、作業環境に関わるさまざまな基準が定められています。
保護具の使用や喚起、採光、温度、清潔などが代表例で、休養や食堂などについても具体的な基準が設けられています。
広い意味で健康を維持できる労働環境を維持するために必要なことがまとめられている部分です。
特別規制
特別規則では、特定元方事業者、機械等貸与者、建築物貸与者に対する特別な規制についてまとめています。
特に特定元方事業者については、土石流の発生、機械の転倒、コンクリートブロック塀の損壊などの重大なリスクが想定される作業現場を管理する立場にあります。
そのため、作業現場における協議組織の設置や安全衛生教育の実施などについて、具体的な規定が設けられています。
労働安全衛生規則における高所作業
高所作業に関わる労働安全衛生規則は、第二編第九章の「墜落、飛来崩壊等による危険の防止」に書かれています。
第五百十八条から第五百三十九条が該当し、第一節から第三節によって構成されています。
各節でどのような内容が定められているかを簡単に見ておきましょう。
墜落等による危険の防止
第一節では高さが2メートル以上の場所で作業をする場合に作業床を設置する、墜落制止のための器具を使用する、悪天候のときには作業しないといった内容を定めています。
また、移動はしごや脚立についても条件が明記されています。
飛来崩壊災害による危険の防止
高所作業とは直接関係がない場合もありますが、飛来崩落災害についての危険防止策について定めているのが第二節です。
高所からの物体投下や飛来による危険の防止策を講じることが明記されています。
ロープ高所作業における危険の防止
ロープ高所作業をするための安全確保の内容を定めているのが第三節です。
メインロープの強度やライフライン、作業計画や作業指揮者などについての要件が明記されています。
まとめ
専門的な用語が多く含まれていましたが、ご理解いただけましたでしょうか?
労働安全衛生規則は労働安全衛生法の下位に位置する省令で、厚生労働省が定めた具体的な現場での安全対策が詳しく記されています。
高所作業に関する安全対策については、第二編第九章「墜落、飛来崩壊等による危険の防止」に詳細が定められています。
企業には安全な労働環境を整備する責任があります。
そのため、高所作業を行う際は、労働安全衛生規則に従って適切な危険防止措置を実施することが重要です。
現場の安全対策について分からないことや不安なことがございましたら、弊社までお気軽にお問い合わせください。
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