高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「安全ブロックの点検項目」についてまとめました。
ぜひご参考にしていただければと思います。
安全ブロックは、高所作業での昇降における安全性の確保に有効な墜落阻止用器具(セーフティブロック)です。
安全な作業のためには、安全ブロックの点検とメンテナンスが必要になります。
しかし、いつどのように点検したら良いかがわからない場合もあるでしょう。
この記事では、安全ブロックの点検のときに必要なチェック項目と廃棄交換の基準をまとめました。
安全ブロックの点検のタイミングも解説するので、いつも安全に使える状態を維持していきましょう。
安全ブロックの点検義務
安全ブロックの点検は、労働安全衛生規則によって義務化されています。
同規則では「異常の有無について、随時点検しなければならない」と定めているため、安全ブロックは使用前に点検をして安全に使用可能かどうかを確認することが必要です。
厚生労働省は「墜落防止のための安全設備設置の作業標準マニュアル」に安全ブロックなどの墜落防止にかかわる器具の使用方法や点検方法などについて詳細をまとめています。
ガイドラインに従って法令遵守の対応をしましょう。
安全ブロックの点検のタイミング
安全ブロックは、日常点検と定期点検を実施して安全に使用できる状態を保つ必要があります。
ここではそれぞれの点検のタイミングを紹介します。
日常点検
安全ブロックの日常点検は、法律によって実施が義務付けられています。
日常点検のタイミングは厚生労働省のマニュアルの「墜落防止用機器の点検方法と廃棄基準」において「始業前に点検」と記されています。
業務で安全ブロックを使用するときには、使用する前に必ず点検をしましょう。
定期点検
安全ブロックは、メーカーや各国の規格協会などによって推奨される定期点検の基準が定められています。
一般的には1年~3年に1度の頻度でメーカーや、メーカー認定業者における定期分解点検をします。
安全ブロックの製品が適合している規格の種類によって、規格への適合性を満たすために定期点検が必要になります。
例えば、米国国家規格協会(American National Standards Institute)のANSI規格では、ANSI Z359.14において年1回の定期点検を義務付けています。
カナダ規格協会(Canadian Standards Association)のCSA規格では、製造日から2年以内に1回、その後は年に1回の定期点検が必要です。
なお、日本のJIS規格には安全ブロックの点検について記載されていません。
日本では安全ブロックのメーカーによって、3年に1回の定期分解点検が推奨されていることが多くなっています。
日常点検での安全ブロックの点検項目と廃棄基準
日常点検の点検項目は、使用者が簡単にできる内容となっています。
ここでは「墜落防止のための安全設備設置の作業標準マニュアル」に記載されている点検義務項目と、多くのメーカーが推奨している点検項目をパーツ別にまとめました。
本体・カバー
点検項目 | 廃棄基準 |
---|---|
損傷 | 3㎜以上の割れ |
変形 | 目視で判断できる変形 |
ロック機能 | 正常に動かない |
錆び | 全体的な錆びの発生 |
ネジの緩み | 締められない |
ストラップ・ワイヤーロープ
点検項目 | 廃棄基準 |
---|---|
損傷 | 損傷・焼損・擦り切れなどによる芯材の露出 |
変形 | 全長に渡るねじれ・波打ち・キンク |
巻き込み繰り出し | スムーズに巻き込み・繰り出ししない |
薬品や塗料の付着 | 薬品の付着・塗料付着による硬化 |
縫製糸の切断の有無 | 1か所以上の切断 |
フック
点検項目 | 廃棄基準 |
---|---|
損傷 | 1mm以上の損傷や割れ |
変形 | 目視で判断できる変形 |
錆び | 錆びや腐食の発生 |
ゲートの開閉 | 正常に動かない |
ロープ連結環と本体の回転部の隙間 | 0.8mm以上 |
<カラビナ>
点検項目 | 廃棄基準 |
---|---|
損傷 | 1mm以上の損傷や割れ |
変形 | 目視で判断できる変形 |
錆び | 錆びや腐食の発生 |
安全環 | 動作不良 |
点検の内容は、目視による損傷や変形などの有無を確認することと、それぞれのパーツが本来持つべき機能を保っているかを確認することです。
点検の結果、廃棄基準に該当していた場合は、安全ブロック本体やパーツの交換が必要と判断します。
1つでも正常ではない箇所が見つかった安全ブロックは業務に使用せず、安全に使用できる安全ブロックに交換して業務を始めましょう。
まとめ
安全ブロックの点検とメンテナンスは、作業環境の安全確保に不可欠で労働安全衛生規則によって義務とされています。
厚生労働省による標準マニュアルを参考にしつつ、安全性をより高い水準で保つための点検項目も加えて日常点検を実施することが大切です。
安全ブロックの定期分解点検も実施して、不具合が起こらないように十分な対策をすると安全性が高まります。
安全ブロックは、高所作業の命綱なので始業前点検と定期点検のルールを策定して運用しましょう!
弊社で取り扱っている万能クルクルキャッチは水平利用が可能な高機能安全ブロックです!ぜひ以下の製品ページもチェックしてみてください!
弊社は高所作業における安全対策のスペシャリストです。高所安全対策でのお困りごとなどがございましたらぜひお気軽にご連絡ください。
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