労働安全衛生法で電子申請が義務化される背景と必要な手続き

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「労働安全衛生法の電子申請義務化」についてお伝えしていこうと思います!

2025年1月1日から労働安全衛生法に基づいた電子申請が一部義務化されます。

従来の紙ベースの手続きをデジタルへ移行することで、効率的な情報管理や迅速なデータ処理が可能となり、多くのメリットをもたらすと考えられています。

この記事では、労働安全衛生法における電子申請義務化の背景や、具体的な申請手続きについて解説します。

企業にとって知っておくべきポイントが満載ですので、ぜひ最後までご覧ください。

目次

労働安全衛生法で電子申請が義務化される背景

労働安全衛生法における電子申請義務化は、なぜ実施されるのでしょうか。

ここでは、労働安全衛生関係の電子申請が義務化される背景をお伝えしていきます。

デジタル化推進の一環

近年、日本政府はデジタル化を国策として推進しています。

これは行政手続きの効率化や、コスト削減などを目的とした取り組みです。

労働安全衛生分野でも、このデジタル化の流れに沿って電子申請の義務化が進められています。

従来、紙での提出が一般的であった労働安全衛生関連の報告書類も、デジタル化によって作業の効率化が期待されています。

また、電子申請の導入により各種データがデジタルデータとして保存されるため後からの検索や集計が容易になります。

デジタル化推進の一環としての電子申請義務化は、企業だけでなく行政にもメリットがあり、全体的な効率性向上に寄与しています。

セキュリティ向上のため

従来の書類申請では、書類を紛失してしまうリスクがありました。

書類には個人情報や機密情報が含まれていることが多いため、紛失は重大なセキュリティ上の問題になってしまいます。

一方、電子申請では、インターネット上で申請手続きを完結できるため、書類を物理的に持ち運ぶ必要がなくなります。

書類の紛失リスクを大幅に減らすことができ、個人情報や機密情報の保護につながります。

電子申請が必要になる報告書

2025年1月から労働安全衛生法で電子申請が義務化されるのは、以下の報告です。

1. 労働者死傷病報告
労働者の事故や病気による傷害、死亡などを報告するための報告書

2. 総括安全衛生管理者/安全管理者/衛生管理者/産業医の選任報告
労働者の安全と健康を管理する担当者の選任に関する報告書

3. 定期健康診断結果報告
労働者が定期的に受ける健康診断結果の報告書

4. 心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)結果等報告
労働者のメンタルヘルスを把握するための検査結果に関する報告書

5. 有害な業務に係る歯科健康診断結果報告
有害業務において必要とされる歯科健康診断の結果報告書

6. 有機溶剤等健康診断結果報告
有機溶剤など有害業務での物質に関する健康診断の結果報告書

7. じん肺健康管理実施状況報告
有害業務におけるじん肺に関する健康管理の実施状況の報告書

各企業は、指定された書類について電子申請を行う必要があります。

電子申請の具体的な手続き

電子申請の手続きは、まずe-Govのアカウント登録から始まります。

その後に、e-Govへ直接申請内容を入力する方法と、入力支援サービスを利用する2つの方法が用意されています。

e-Govアカウント登録

e-Govは日本政府が提供するオンラインの行政サービスで、労働安全衛生関連の報告書の申請が可能です。

e-Govアカウントの取得はこちらから

アカウント登録は無料で、メールアドレスとパスワードを入力するだけで完了します。

登録後はガイドラインに従って簡単に手続きが進められるため、初めての企業でも安心して利用できます。

直接e-Govへ申請内容を入力

こちらはアカウント登録後に、e-GovのWebサイトにアクセスして直接申請内容を入力する方法です。

e-Gov|電子申請

入力支援サービスを経由

電子申請の手続きには、入力支援サービスを利用する方法もあります。

厚生労働省|入力支援サービス

2025年から電子申請を必ずしなければならないの?

電子申請の義務化までにはあまり猶予がありませんが、準備が整っておらず間に合いそうにない企業はどうすればよいでしょうか?

今回の義務化には、一定の経過措置が設けられています。

経過措置について

電子申請が義務化されるといっても、すべての企業がすぐに対応できるわけではありません。

経過措置が設けられており、準備が整っていない企業はこれまでと同様に紙で申請できるよう配慮されています。

経過措置が終了するまでに、必要なシステムやスタッフの教育を整え、スムーズに電子申請へ移行できるよう準備を進めましょう。

他の手続きも今後電子申請になることが予想される

今後、他の分野の手続きでも電子申請が義務化されていくはずです。

行政のデジタル化推進に伴い、労働安全衛生法でも多くの手続きがオンライン化されると考えられます。

デジタル化が進むと企業の負担が軽減されていき、どんどんと便利になっていきます。

今回の電子申請の義務化はその第一歩であり、企業全体でデジタル化に取り組む重要な契機と捉えましょう。

まとめ

労働安全衛生法での電子申請義務化は、デジタル化推進を目的とした施策です。

企業はe-Govを利用して報告書の電子申請を行います。

対象となる報告書は労働者の安全と健康を守るために不可欠なものであり、企業にとって業務の効率化が期待されています。

今後は他の手続きも電子化が進む可能性が高いため、早めに電子申請に対応しておくことが重要です。

電子申請のメリットを理解し、円滑に移行できるよう努めましょう。

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