電気通信工事に潜む危険と安全対策|感電・墜落・重機事故を防ぐ方法

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「電気通信工事に潜む危険」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

電気通信工事は、私たちの生活や産業を支える通信インフラを整備・維持するために行われています。

多くの作業が高所で行われること、さらに電気設備を扱うため、常に危険と隣り合わせの仕事です。

感電や墜落・転落といった重大な労働災害も毎年報告されています。

本記事では、電気通信工事において発生しやすい危険にはどのようなものがあるか紹介し、事故を防止するために知っておきたいポイントを解説します。

目次

電気通信工事に潜む危険

電気通信工事に潜む危険を見ていきましょう。

高所作業での墜落・転落事故

電気通信工事では、光ファイバーケーブルの架設や通信機器の設置・保守など、高所作業が日常的に行われています。

こうした環境では墜落・転落のリスクが常に存在し、死亡災害や重篤な負傷につながるケースが少なくありません。

典型的な事故例としては、足場からの踏み外しや不安定な姿勢での作業による墜落・転落です。

電気による感電事故

電気通信工事では感電事故のリスクも伴います。

例えば、クレーン車の操作ミスでブームが電線に接触したり、充電中の電気設備の端子に触れて感電してしまう事故が報告されています。

また、雨天時や夏場の汗ばんだ状態など、作業環境によっても感電リスクが高まります。

感電事故は休業4日以上の労働災害の中でも死亡に至る割合が1割を超えており、特に致死率が高い災害といえます。

重機による事故

電気通信工事では、ショベルカーやクレーン車による地中埋設管の敷設、基地局の建設や高所点検作業における高所作業車の利用など、重機を使用する機会が多くあります。

重機による災害は、特に被害が甚大になりやすいのが特徴です。

地盤の崩落により重機が転倒してしまえば、挟まれ事故や轢過事故など重篤な事故につながります。

交通量の多い道路での作業時には、一般車両との接触事故が起こることもあります。

電気通信工事の労働災害対策

電気通信工事の労働災害対策について見ていきましょう。

高所作業対策

電気通信工事では、電柱や通信鉄塔、建物の屋上などでの作業が多く、墜落・転落のリスクが常につきまといます。

そのため、墜落制止用器具(安全帯・フルハーネス)の正しい着用が必須です。

特に電柱での作業では、支柱そのものが支持点になるため、フックの掛け替え時に「二丁掛け」を徹底し、無防備な時間を作らないようにします。

作業前にはベルトや金具に摩耗・変形がないか点検を怠らないようにしてください。

必ずヘルメットを着用し、すべり止め付き作業靴など、通信工事現場に適した保護具を併用しましょう。

感電事故対策

感電事故を防ぐためには、作業開始前の安全措置が欠かせません。

充電部を露出させないこと、むやみに近づかないことが基本です。

作業前には電力の一時停止や防護措置を徹底するとともに、漏電ブレーカーの作動確認や絶縁測定器による機器の点検を行います。

作業中は絶縁用の手袋や靴を着用し、機器に触れる前に検電器で電圧の有無を確認する習慣を徹底します。

複数人で作業する場合は一人を監視役に配置し、異常があれば即座に作業を中止できる体制を整え、万が一感電が発生した際に備えて、心肺蘇生法などの救急処置を習得しておきましょう。

重機使用時の安全対策

電気通信工事で使用されるショベルカーやクレーン車などの重機を扱う際は、エンジンオイルや作動油の量、ブレーキやクラッチの効き具合、安全装置の作動状況を点検しておきます。

また、作業現場の地盤条件や周辺環境を確認し、重機の配置や作業手順を慎重に計画する必要があります。

作業中は合図者を配置して連携を密にし、作業員は必ず重機の作業半径外で待機します。

重機の安全対策は運転者だけの責任ではなく、現場全体で取り組むものです。

安全教育や訓練を行い、操作方法や合図の手順、非常時の対応まで周知徹底しましょう。

まとめ

電気通信工事には、高所作業をはじめ、感電や重機による事故など、さまざまな危険が潜んでいます。

そのいずれもが死亡事故などの重大事故につながる可能性があります。

どんなに慣れた作業であっても油断せず、常に最悪の事態を想定した安全対策を取ることが大切です。

チーム全体で安全を確保する体制を築き、全ての作業員と関係者の安全を守りましょう。

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