
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの中尾です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し安全対策のご提案をしています。
この記事では私がお客様によく相談を受ける「安全帯をかける場所がない」という問題と、その解決策となる常設型の転落防止システムについて、できるだけわかりやすくお伝えします!
※2021年8月10日に公開した記事ですが、2023年6月15日に必要な文言等を追記、その他の部分を修正して再度公開いたしました
みんな困っている「フックをかける場所がない」問題
旧規格の「安全帯」から新規格の「墜落制止用器具」の着用義務化が始まり、そもそも「安全帯や墜落制止用器具をかける場所がない」という相談をよくいただきます。
建設工事の現場であれば、今や必ずと言っていいほど仮設足場や親綱支柱が設置されていますが、例えば既築建物の屋根に登る際は、安全帯や墜落制止用器具のランヤードフックをかける先はなかなかありません。
墜落制止用器具の着用義務化が始まる前から、工場等の屋根に登る際はフルハーネス型墜落制止用器具の着用をしなければならないという独自のルールが既にある会社様もありますが、
「フルハーネスを着たところで、そもそものフックをかける先がない」
「フックをかける場所がないために、事故を防ぐことができない」
という矛盾が生じています。
屋根上等の高所で作業する場合は、仮設の親綱支柱等を設置することが一般的だとは思いますが、
・外注ではなく、自社の社員が屋根上に登る
・点検や測定等で作業がごく短時間に終了してしまう
・都度、仮設の安全対策を敷設するほどではない
というシチュエーションも多くあるようで、やむを得ず安全対策を講じずに高所にて作業を行うというシーンも見受けられます。
そもそも「安全帯」や「墜落制止用器具」を着用することは法律で義務化されていますが、フックを取り付けるための設備の設置については、法律では義務化されていないのが現状なのです。
安全帯(墜落制止用器具)に関する法令の抜粋
では、法律ではどこまでの対策が求められているのでしょうか?
以下、法令等の抜粋をご覧ください。


「労働安全衛生規則」や「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」には、墜落制止用器具の取付設備についても言及されています。
高さが2m以上で、作業床や手すり等が設置されていない箇所においては、墜落制止用器具をかける取付設備を設置するよう記載があります。
ただ頻度が高く短時間だけ屋根上に登るといったケースでは、安全対策が実施されていない例も多くあります。
大規模修繕工事ならばいざ知らず、仮設のために足場等の安全対策を都度レンタルするのは、コスト的にも工期的にも現実的ではないといった理由からです。
常設型転落防止システム「アクロバット」で解決!
上記のような「安全帯のフックをかける場所がない」という問題を解決できる方法の一つとして、G-Placeでは常設型転落防止システム「アクロバット」をご提案しております。
常設型転落防止システム「アクロバット」は、主に屋根上に設置する「水平型ワイヤータイプ」だけでなく、タラップ等へ設置する「垂直型ワイヤータイプ」、工場内の梁等へ設置する「懸垂型ワイヤータイプ」、屋根上等の移動をより安全にする「キャットウォーク」や「ハンドレール」もございます。






新築はもちろんのこと、既築建物への後付けも可能です。
屋根上には水平型ワイヤータイプ
アクロバットの「水平型ワイヤータイプ」は、屋根上等にステンレスワイヤーを敷設する、”常設型”の安全対策です。

常に安全対策があることで仮設の安全対策の敷設を待つことなく、いつでも屋根上等に登り「安全帯」や「墜落制止用器具」をかけて作業することができます。
「墜落制止用器具の安全な使用に関するガイドライン」には、「墜落制止用器具の取付設備はランヤードが外れたり抜けたりするおそれのないもので、墜落制止時の衝撃力に対し十分耐えうる堅固なものであること」と記載されています。
アクロバットの水平型ワイヤータイプで使用する「グライダー」は、使用時にのみステンレスワイヤーへ取り付ける専用の金具です。
付属の二重ロック付カラビナを取り付けた上で、このカラビナにランヤードフックをかけますがこのカラビナが、グライダーのロックにもステンレスワイヤーから外れたり抜けたりすることを防ぐ構造になっています。
また、この「グライダー」は中間アンカー部分をパススルーすることができますので、ランヤードフックを途中で外すことなくワイヤーラインを移動することができます。
水平型ワイヤータイプは、欧州規格(EN795 Class C)に準拠したシステムであり、約1.2tの引張荷重をかけ3分間保持できる強度を有しています。
また、一般社団法人仮設工業会様でも親綱支柱と同等の落下阻止性能試験を実施し、100㎏の重錘を垂直落下させても金具等の脱落がないことを確認できています。
※上記のいずれの試験も、試験用に弊社が手配した模擬的な屋根で実施しており、システムとしての強度を確認しているものです。
実際の屋根は様々な形状や種類があり、加えて経年劣化や腐食もありますので、屋根自体が墜落制止時の衝撃に耐えうるかどうかについては弊社での判断は致しかねます。
タラップには垂直型ワイヤータイプ
屋根上だけでなく、屋根へ登るためのタラップにも安全対策は必要です。
昨今では背カゴ付のタラップが主流となっていますが、10mを超えるタラップの昇降は一般男性でも筋力を使います。
高所作業を生業とされている屈強な職人さんならまだしも、年配の方や女性は一気に登るのは難しく、途中で休憩したくなると思いますが、タラップの昇降中に手を離すわけにはいきません。
垂直型ワイヤータイプのスライダーは、墜落時にブレーキの役目を果たしますので、昇降中に手を離すことも可能です。

垂直型ワイヤータイプを使用する場合は、胸部にD環付きのフルハーネス型墜落制止用器具の用意が必要です。
荷役作業には懸垂型ワイヤータイプ
車両の荷台での作業も高所作業になる場合がありますが、屋根上同様フックをかける先は基本的にありません。
例えば、荷台作業が工場内や倉庫内であれば、強度を有すると判断できる建物の梁等へワイヤーを敷設することが出来ます。
※強度を有するかどうかは弊社では判断できないため、お客様側での確認が必要です
安全ブロックをワイヤーに取り付け、作業時に墜落制止用器具の背中のD環に接続すれば安全を確保できます。
水平型ワイヤータイプ同様、パススルーが可能なシステムですので、ワイヤーが手の届かない高所であっても掛け替えをすることなく移動できます。

また、屋外でのトラックの荷台上での作業に特化した可搬式の安全対策製品のご提案も可能です。


まとめ
以上、特にご相談の多い「安全帯(墜落制止用器具)のフックをかける場所がない問題」についての現状と、常設型の転落防止システムについてご紹介させていただきました。
安全対策をご検討の方は是非お気軽にご相談くださいませ!

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