
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「高所作業時のヘルメット着用と選び方」に焦点を当ててまとめてみました。
ヘルメットを日常的に使用している方も、ご自身の安全のためにぜひ参考にしていただければと思います。
あなたは高所作業をするときにヘルメットを着用していますか?
初めて高所作業をしたときにはヘルメットを被ったとしても、業務に慣れてきたり、上司や他の作業者の目がないと、ついつい面倒でヘルメットなしで作業をしてしまいがちです。
しかし、高所作業にヘルメットは必須です。
この記事では作業用ヘルメットの着用に関する法令と、安全に作業をする上でのヘルメットの必要性を解説します。
また、高所作業に適したヘルメットの選び方もご紹介しますので参考にしていただければと思います。
高所作業ではヘルメットの着用が義務

高所作業に携わるときにはヘルメットの着用が法令によって義務付けられています。まずはヘルメットの着用についての関連法令を確認していきましょう。
労働安全衛生規則
労働安全衛生規則は労働安全衛生法に基づいて出されている省令で、労働者が安全に働くための基準を具体的に定めています。
労働安全衛生法は事業者も労働者も遵守義務があります。事業者は労働者が法令を守れるように環境を整え、労働者は規定を守らなければなりません。
ヘルメットの着用については、例えば以下の作業時には着用が義務付けられています。
- 2m以上の高所作業
- 飛来物や落下物がある可能性がある場所での作業
- 5トン以上の貨物自動車の荷の積卸し
その他のヘルメット着用に関する規則
労働安全衛生規則以外にもヘルメットの着用について言及している規則があります。
クレーン等安全規則
クレーン等安全規則は移動式クレーンやエレベーター、リフトなどを使用する業務に関する安全基準を定めている省令です。
クレーンの組み立て・解体作業や建設用リフトの組み立て・解体作業などの作業時にはヘルメットの着用が義務付けられています。
行政指導通達(厚生労働省)
厚生労働省ではヘルメットの着用について行政指導通達を出しています。
高所作業に関連する内容としては、荷役・運搬機械の安全対策、建設業や清掃事業の業務、足場の設置が困難な屋根上作業等における墜落防止についての行政指導通達が該当します。
高所作業では転落事故が多い

法令によって高所作業でのヘルメット着用が義務付けられているのは事故が多いからです。
高所作業をしているときに転落すれば大きな怪我をするのは想像できるでしょう。事故によって亡くなったり、障害を負ったりしている人もいるため、安全のためのヘルメット着用が義務になっています。
高所作業の転落事例
高所作業で転落する事例として以下のようなケースがあります。脚立やはしご、トラックの荷台や階段などからの転落事例が多いのが現状です。
- 脚立からの転落
- 移動はしごの転倒
- トラックの荷役作業時の転落
- 階段からの転落
- 足場からの墜落
- 屋根の上からの転落
- ゴンドラからの墜落
足場や屋根の上での作業ではリスクがあるのを認識してヘルメットを被る人も多いでしょう。しかし、実際の墜落や転落の事故ははしご等からの転落だけで23%を占めています。
トラックからの転落、階段などからの転落を含めると59%です。大怪我をするリスクが低い場所での作業では油断してしまい、事故になっている事例が多いことがわかります。
墜落・転落災害では頭部損傷が多い
厚生労働省による統計でははしご等からの転落によって損傷している部位は頭部が73%を占めています。
人は頭の重量が大きいので、墜落や転落のときには頭から落ちることが多いのが理由です。
高所作業での死亡者の9割がヘルメットを着用していなかったという統計結果もあります。ヘルメットは高所作業をする際の命綱になるのは明らかでしょう。
高所作業時のヘルメットの選び方

高所作業のヘルメットはどれでも良いというわけではありません。法令を遵守して安全に高所作業をするには国家検定規格に合格しているヘルメットを選ぶことが大切です。
昭和50年の労働省告示第66号で保護帽(=ヘルメット)の規格について材料や構造などについて詳しく定めています。耐貫通性試験や衝撃吸収性試験を実施して適切な性能を有するヘルメットを常時着用するのが大切です。
また、ヘルメットを選ぶときには用途に合っていることも重要です。作業用ヘルメットには大きく分けて墜落時保護用、飛来・落下物用、電気工事用の三種類があります。
ヘルメットの種類 | 特徴や構造 | 使用目的 |
---|---|---|
墜落時保護用ヘルメット | 帽体・装着体・衝撃吸収ライナー・あごひも | 墜落時に頭部を保護するため |
飛来・落下物用ヘルメット | 帽体・装着体・あごひも | 飛来物から頭部を保護するため |
電気工事用ヘルメット | 帽体、着装体、あごひも、通気孔がないもの | 頭部を感電から保護するため |
高所作業では墜落時保護用ヘルメットを選ぶのが適切です。種類によって国家検定規格も異なっているので注意しましょう。
ヘルメットの材質と使用期限
ヘルメットの材質にはFRP製、ABS製、PC製、PE製などがあり、それぞれの特徴と使用期限は次のようになります。
ヘルメット材質 | 材質詳細 | 使用期限 |
---|---|---|
FRP製 | ポリエステル樹脂をガラス繊維で強化したもの | 5年 |
ABS製 | アクリロニトリルブタジエンスチレン | 3年 |
PC製 | ポリカーボネート | 3年 |
PE製 | ポリエチレン | 3年 |
まとめ
高所作業では安全のためにヘルメットの着用が義務付けられています。
2m以上の場所での作業が高所作業では労働安全衛生法で着用義務がありますが、厚生労働省は1m未満の場所でも着用を推奨しています。それは脚立やトラックの荷台からの転落事故が多発しているからです。
事故が起こった時の頭部の保護は重要な生命線といえますので、ヘルメットは適切なものを選ぶ必要があります。
国家検定規格を満たしている墜落時保護用のヘルメットを着用して高所作業に従事しましょう。
現場の安全対策にお困りの方は、ぜひG-Place 設備資材事業グループにご相談くださいませ!!

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