ISO45001とは?労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格を徹底解説

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「ISO45001」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格「ISO45001」は、働く人の安全と健康を守るための世界的な枠組みです。

組織全体での安全衛生活動を推進する上で欠かせないものといえます。

この記事では、ISO 45001の概要から導入のメリット、認証取得のステップまでを網羅的に解説します。

目次

ISO45001とは

ISO45001は、国際標準化機構(ISO)が2018年3月に制定した、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS:Occupational Health and Safety Management System)に関する国際規格です。

ISO(国際標準化機構)

スイス・ジュネーブに本部を置く非政府機関「International Organization for Standardization」の略称。頭文字をとってIOSと呼ばれる。

ISO 45001が発行される前は、イギリスで開発されたOHSAS 18001が事実上の国際標準として広く使われていました。

しかしOHSAS 18001はISO規格ではなかったため、ISO 9001(品質)やISO 14001(環境)のように統一された枠組みで管理できないという課題がありました。

そこでISO 45001はOHSAS 18001の基本的な考え方を引き継ぎながら、改良が加えられています。

例えば、ISO 45001では、トップマネジメントの役割がOHSAS 18001よりはるかに明確になりました。

会社のトップが安全の方針を決めて、必要な予算や人員を用意し、現場の状況を把握するところまで責任を持つ必要があります。

ISO 45001を導入すると、経営者から現場の作業員まで全員が安全衛生活動に関わることになります。

各部門が自分たちの業務に関連するリスクを認識して対策を実行することで、組織全体で安全文化が根付くようになりました。

ISO 45001の認証取得プロセス

ISO45001を取得するときの流れを解説します。

安全衛生管理の方向性を固める

まず、労働安全衛生方針と労働安全衛生目標を策定します。

達成期限や評価指標を明確に設定することで、課題を見える化し、重点的に取り組むべき分野を整理できます。

運用に必要な仕組みを整える

目標達成に向けた具体的な仕組みを構築します。

業務手順書、運用ルール、教育資料、記録様式などを準備し、日常業務に組み込める状態に整えます。

日常業務へマネジメントシステムを組み込む

構築した仕組みを日常業務に反映させ、安全確認、従業員教育、設備点検などを継続的に実施します。

活動内容は記録として残し、運用状況を把握できるようにします。

内部監査の実施

内部監査員が運用状況を点検し、規格要求事項への適合性を確認します。

不適合が見つかった場合は、是正措置を講じて改善につなげます。

全体評価

内部監査の結果、目標の達成状況、活動実績をもとに、経営層が全体を評価します。

必要な資源の追加や改善方針を判断し、次の活動計画に反映します。

改善の取り組みを進める

運用中に発見された課題に対応し、再発防止策を実施します。

改善内容は記録として保管し、外部審査に備えます。

第一段階審査(文書審査)

認証機関が、文書類の整備状況や体制の妥当性を確認します。

マニュアル、手順書、記録様式などが評価対象となります。

第二段階審査(現地審査)

認証機関の審査員が現場を訪問し、実際の運用状況を確認します。

従業員教育の実施状況、設備点検の記録、危険源の特定と対策、改善活動の実績などが評価されます。

指摘事項への対応

審査で指摘事項があった場合は、是正措置報告書を作成して認証機関に提出します。

対応の妥当性が確認されると、認証取得に進みます。

認証取得

外部審査の評価が完了すると、ISO 45001の認証が付与されます。

まとめ

ISO45001は、労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格として、働く人の安全と健康を守るための体系的な枠組みを提供します。

認証取得には、方針・目標の策定から運用体制の整備、内部監査、外部審査まで、段階的なプロセスが必要です。

組織全体で安全文化が醸成され、労働災害の予防だけでなく、業務効率化やコスト削減といった副次的な効果も期待できます。

自社での導入を検討している場合は、まず現状の安全衛生管理体制を見直すことから始めましょう。

ISO45001の要求事項と照らし合わせて不足している要素を洗い出し、優先順位をつけて改善を進めることが重要です。

必要に応じてコンサルタントや認証機関に相談しながら、従業員全員が安心して働ける職場環境の実現を目指してください。

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