
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
今回のコラムは「ナフサ不足と建設業」というテーマについてです。
ぜひご参考にしていただければと思います。
中東情勢を発端とするナフサ不足が話題になっています。
なぜここまで問題視されているのでしょうか。
理由は、ナフサが実にさまざまな製品の原料として使われているからです。
とりわけ建設業にとっては、死活問題といっても過言ではありません。
本記事では、ナフサが不足すると建設業にどのような支障が出るのかを解説します。
ナフサとは?

ナフサは、わたしたちの暮らしを支える多くの製品に使われる素材です。
ナフサの特徴を見ていきましょう。
どうやって作られる?
ナフサは原油を精製する過程で得られます。
原油を加熱して蒸留すると、沸点の違いによってガソリンや灯油、軽油などに分かれ、ナフサが留分として取り出されます。
何の材料になる?
ナフサを高温で分解するとエチレンやプロピレンといった物質が生まれ、プラスチックや合成樹脂、合成ゴム、合成繊維の材料になります。
建設業に身近な塗料や接着剤、断熱材の樹脂なども元をたどればナフサから作られています。
ナフサは完成品の手前に位置する素材の基礎となる存在と言えます。
備蓄できない
ナフサは、長期保存が難しいという性質を持っています。
揮発性が高いからです。
原油であれば備蓄して有事に備えられますが、ナフサは精製されたあと、短い期間で次工程へ流していく必要があります。
在庫として積み上げておく余裕が小さく、供給が一度滞ると、影響は短期間で最終製品にまで波及します。
ナフサ不足の影響を受ける建材

現代の建物は、見えない部分に至るまで石油由来の部材で支えられています。
ナフサ不足で影響を受ける建材について見ていきましょう。
断熱材
ナフサ不足の影響を受けやすい建材の一つが断熱材です。
住宅の省エネ性能を左右するプラスチック系の断熱材には、硬質ウレタンフォームやポリスチレンフォーム、フェノールフォームなどがあり、いずれも石油由来の樹脂を発泡させて作られています。
原料となる樹脂がナフサから生まれるため、ナフサの供給が滞ると製造が圧迫されます。
断熱材は工程の早い段階で施工されるため、入手できなければ後続の内装工事まで止まりかねません。
省エネ基準への適合が求められる新築では代替も難しく、工期全体に影響が及びやすい建材といえます。
配管
水まわりの配管も、ナフサ不足の影響を強く受ける建材です。
給排水設備に使われる塩化ビニル管、いわゆる塩ビ管は、名のとおり塩化ビニルという樹脂から作られています。
塩化ビニルもナフサを起点とする石油化学製品であり、原料供給の停滞が生産量の減少につながります。
配管は新築の給排水だけでなく、リフォームや設備更新でも必ず使う基幹的な部材です。
代替がきかない場面が多く、入手できなければ着工や引き渡しの時期に響きます。
配管が滞ると、内装の仕上げや設備機器の据え付けといった後工程にも連鎖的に遅れが生じます。
内装仕上材
内装の仕上げに使う材料にも、ナフサ由来の製品が数多く含まれます。
壁を覆うビニールクロスや、床に張るクッションフロアは、いずれも塩化ビニルなどの樹脂を主原料としています。
表面の質感や色柄を生み出す層も石油化学製品でできており、ナフサ不足の影響を免れません。
仕上げの工程で使う塗料も同様です。
塗料の顔料を溶かして塗りやすい状態に整える有機溶剤はナフサから作られており、塗料を薄めるシンナーも同じ系統の製品です。
住宅設備機器
トイレやユニットバスといった住宅設備機器も、ナフサ不足と無縁ではありません。
設備機器は金属や陶器だけでできているわけではなく、便座や配管部品、外装パネルなど、多くの部分に石油由来の樹脂部品が使われています。
樹脂部品の供給が滞れば、製品全体の生産が止まってしまいます。
住宅設備機器は施主が仕様を細かく指定することが多く、別の製品への振り替えが難しい建材です。
発注しても納期が読めない状況が続けば、住宅全体の引き渡し計画にまで影響します。
まとめ
ナフサは、建設に欠かせない数多くの建材の源流にある石油原料です。
中東情勢を背景とした供給不安は、値上げや出荷制限という形で現場を直撃し、工期や採算に影を落としています。
今後の展開が予測しづらい状況だからこそ、建設業界には先を見据えた対応が求められます。
現段階でできることといえば、早い段階での資材確保や、代替品となる建材の選定を進めることです。
先行きが見えない局面を乗り切るために、常に最新の情報を収集し、柔軟に動ける体制を整えておく必要があるのではないでしょうか。

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