高所作業では落下物が危険!事故事例と対策方法を解説

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「落下物の危険性」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

高所作業においては、落下物による事故への対策が不可欠です。

本記事では、「高所作業時の落下物対策」について解説します。

落下物への対策の重要性や実際の事故事例を確認しながら、安全対策を進めていきましょう!

目次

高所作業の落下物対策の必要性

出典:厚生労働省 職場のあんぜんサイト

高所作業の現場で落下物対策が必要な理由は、飛来・落下による事故が多発しているからです。

厚生労働省の「令和4年労働災害発生状況の分析等」によれば、年間の労働災害は建設業で死亡災害が16件、死傷災害が1,318件、林業では死亡災害が2件、死傷災害が172件発生しています。

さらに、中央労働災害防止協会(JISHA)の「労働災害分析データ」では、建設業における事故の型別資料が提供されています。

令和4年に報告された14,539件の事故のうち、1,000件以上発生した事故をまとめると、飛来・落下は第4位で全体の約9%を占めています。

事故の型別死傷災害件数
墜落・転落4,594件
転倒1,794件
はさまれ・巻き込まれ1,706件
飛来・落下1,318件
切れ・こすれ1,272件

高所作業に伴う落下物で起きた事故の事例

厚生労働省、労働安全衛生総合研究所による「職場のあんぜんサイト」には労働災害事例が掲載されています。

ここでは、その中から高所作業時に落下物によって起きた事故事例を紹介します。

地上40mの仮設ステージからパイプサポートが落下

出典:職場の安全サイト|労働災害事例

マンションの建築工事で、地上40メートルにある仮設ステージからパイプサポートが落下し、作業員1名が死亡したという事故事例です。

この事故は、マンションの15階のベランダに仮設ステージを設置してパイプサポートの搬出作業を行っていた際に発生しました。

作業員が仮設手すりにパイプサポートを立てかけた際に、それが落下し、エレベーター乗降用スロープにいた別の作業員に当たってしまったという痛ましい事故です。

斜面の落石防護網の取り付け工事中に落石が発生した

出典:職場の安全サイト|労働災害事例

山間部の道路で、高さ40メートルの地点に落石防護網を設置する工事中に、落石災害が発生した事例があります。

この工事では、高所作業で斜面に穴を空け、アンカー、支柱、金網を設置する予定でしたが、削孔作業が完了した直後に落石が発生し、作業員1名が死亡、1名が負傷する事故が起こってしまいました。

高所作業における落下物による事故の対策

虫眼鏡と対策の文字

高所作業の現場では、落下物による事故のリスクを包括的に考え、対策を講じることが重要です。

ここでは、労働安全衛生規則の遵守を原則とした対策方法を紹介します。

安全意識の向上と装備の徹底に努める

作業者の安全意識を向上させるための教育を定期的に実施し、少なくとも安衛則で定められている必要な装備は常時装着して作業に携わらせましょう。

作業員には少なくとも以下の落下物事故対策を教育し、必要な社内ルールを定めることが大切です。

  • 高所作業の現場では常にヘルメットなどの保護具を着用する。
  • 不要な物を作業現場に置かない。
  • 3メートル以上の高所から物を投下する場合、投下設備を使用するか監視人を配置する。
  • 落下の可能性がある物を高所に置かない。

落下物による事故の直接的な対策をする

不慮の事故による落下物も考慮し、労働災害のリスクを減らすための対策を講じる必要があります。

労働安全衛生規則では、落下物による危険がある場合の対応が義務付けられています。

落下物による労働災害リスクを減らすための対策として以下の3つが重要です。

  • 現場に落下防止ネットを設置する
  • 工具に落下防止ロープを取り付ける
  • 「落下物危険 立入禁止」などの表示をして立入区域を制限する

安定性の高い足場を整える

高所作業の足場を整えることで、落下物の発生を防ぎます。

不安定な足場では作業中に物を落とす可能性があります。

特にフルハーネスを使用する作業では、動作の自由度が制限される面もあるので姿勢を崩しやすく工具を落とすリスクが高まります。

安定した足場を用意することによって、落下物による労働災害のリスクを大幅に軽減できます。

まとめ

高所作業では、落下物が地上の人に怪我をさせるリスクを考慮した安全対策が不可欠です。

特に建設業界では、飛来・落下による事故が多数報告されています。

高所作業中の落下物が予想される現場では、注意喚起の表示を設置し、ヘルメットなどの防護具の着用を徹底する必要があります。

総合的な対策を講じることで、高所作業現場での落下物による事故を防ぎましょう。

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