
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「作業計画書」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。
建設業や製造業、物流業をはじめとする現場では、手順を誤っただけで重大な事故に直結するケースが珍しくありません。
そのような事故を未然に防ぎ、安全に作業を進めるために策定される書類が作業計画書です。
労働安全衛生規則などの法令では、危険を伴う特定の作業で作成を義務づけています。
今回は、義務の対象となる作業や、計画書に盛り込むべき記載項目について解説します。
作業計画書とは

作業計画書は、作業に着手する前に手順や安全対策を定めておく書類です。
無計画な作業による事故を防ぎ、関係者間で情報を共有して安全を確保することを目的としています。
現場の状況を調査して作業手順を整理し、作業計画書に落とし込むことで危険要因を予測して適切な対策が講じられます。
労働安全衛生規則では、労働災害防止措置として危険を伴う対象作業ごとに作業計画の策定および関係作業者への周知を義務づけています。
安全対策の認識を現場全体で一致させるためにも、作業計画書を作成して共有しなければなりません。
作業計画書の作成が必要な作業

作業計画書の作成が必要になるのは、労働安全衛生規則が定める特定の作業です。
主に重機などの機械を使う作業と、墜落や崩壊の危険が大きい一部の作業が対象になります。
車両系機械を使う作業
車両系機械を用いる作業において、計画策定の対象となる代表的な機械は以下の通りです。
- パワーショベル
- ブルドーザー
- くい打ち機
- フォークリフト
- ショベルローダー
- 高所作業車
機械を稼働させる現場では、重機の進行方向や旋回範囲と作業者の動線が交錯しやすく、接触や挟まれ、転倒による重大事故が起こっています。
主に機械の運行経路や立ち入り禁止区域、作業手順などを定めます。
危険をともなう特定の作業
車両系機械を用いる作業のほか、墜落や崩壊の危険を伴う作業も計画策定の対象に該当します。
代表的な作業は以下の通りです。
- トンネルを掘り進めるずい道等の掘削
- 岩石を採取する採石の作業
- 建物の骨組みを組み立てる鉄骨の組立て
- 鋼鉄製の橋をかける架設
- コンクリート造の建物を取り壊す解体作業
上記以外にも危険を伴う作業ごとに計画の策定義務が規定されています。
作業計画書に記載する事項

ここでは、作業計画書に盛り込むべき項目をお伝えします。
作業の方法
作業の方法では、機械の操作手順や工程の順序を具体的に記載します。
掘削作業を例に挙げると、掘削の範囲や深さ、掘削土の処理方法、作業員の待機位置などです。
危険な場面を想定し、はさまれや転落を避けるための立入禁止の範囲や、合図の方法まで盛り込むことで作業の安全性が高まります。
機械の運行経路
車両系機械を用いる作業では、運行経路の明記が必要です。
狭い現場や作業員が往来する場所では、機械の運行経路と作業員の動線が交錯し、接触や巻き込みの事故を招きやすくなります。
経路を定めて機械と人を分離しておくことで、危険な交差を回避できます。
手元作業などで人と機械の距離を物理的に離せない現場では、誘導員の配置や合図の方式、機械を停止させてから作業員が立ち入る手順などを定めます。
機械の仕様
使用する機械の仕様も、計画書に盛り込むべき項目です。
車両系建設機械を用いる作業では、機械の種類および能力を記載することが労働安全衛生規則で定められています。
機械の能力を超える過負荷な作業は、転倒や機体破損の原因となります。
作成義務に違反した場合どうなる?

作業計画書の作成義務に違反した場合、罰則の対象になります。
罰則は事業者に科され、刑罰の重さや金額も法律で定められています。
法律で定められた罰則
作業計画の作成義務に違反すると労働安全衛生法第119条により、6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が科される可能性があります。
作業計画を定めずに危険な作業を行わせることは、労働者の命に関わる重大な違反とみなされます。
罰則以外に生じるリスク
作成義務に違反したときのリスクは、刑事罰だけにとどまりません。
作業計画を定めずに作業を行い、労働災害が起きた場合、事業者は安全への配慮を怠ったとして、被災した労働者やその家族から損害賠償を請求される可能性があります。
社会的信用の失墜により事業の継続に深刻な影響を及ぼす恐れがあるため、作業計画書の作成は企業防衛の観点からも不可欠です。
まとめ
作業計画書は、危険を伴う作業の手順を明確にし、労働災害を未然に防ぐための書類です。
労働安全衛生規則によって作成が義務づけられており、怠れば拘禁刑や罰金の対象となるだけでなく、事故が発生した際に重大な責任を問われます。
企業の存続や社会的信用を守る観点はもちろん、現場で働く作業者の安全と健康を確保するためにも、対象作業では確実に作業計画書を作成し、関係者間で共有を図りましょう。

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