
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「全国安全週間」に視点を向けてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。
職場で全国安全週間の取り組みが始まると、「今年もこの時期が来たか」と感じる方もいるかもしれません。
全国安全週間は、毎年7月に全国一斉で実施されている安全衛生活動です。
日々の業務で意識が薄れがちな安全対策を、改めて見直す機会として位置づけられています。
この記事では、全国安全週間の目的や歴史、そして実際の取り組み内容について解説します。
全国安全週間とは

全国安全週間は、労働災害を防止するために毎年7月1日から7日まで実施される全国的な運動です。
全国安全週間の主催者
全国安全週間は、厚生労働省と中央労働災害防止協会が主催し、昭和3年(1928年)から90年以上続く歴史ある取り組みとして定着しています。
全国安全週間の目的
全国安全週間の目的は大きく分けて3つあります。
労働災害防止
作業手順の見直しや職場環境の点検、安全教育の実施を通じて現場に潜むリスクを洗い出し、災害の発生を未然に防ぎます。
自主的な安全活動の定着
法令による義務だけでなく、各事業所が自ら考え行動する「自律的な安全文化」の定着を目指しています。
安全を「与えられるもの」から「自ら築くもの」へと変えていく取り組みです。
安全意識の高揚
全国一斉のポスター掲示や訓練・教育などを通じて、職場全体の安全意識を高め、日常的な行動に反映させていきます。
実施内容
6月1日から30日までの準備期間で職場の安全総点検や改善活動を実施。
7月の本週間では、安全大会の開催、経営トップによる職場巡視、ポスター掲示、朝礼での安全唱和などが行われます。
- 経営トップの所信表明、安全大会
- 安全パトロール、職場巡視、安全掲示・ポスター
- 講演会の開催、安全に関する資料配布
- 労働者家族への文書送付や職場見学
- 緊急時対応訓練
全国安全週間の歴代スローガン
全国安全週間では、毎年その年の安全意識を象徴するスローガン(標語)が制定されます。
第1回からの歴史を振り返ると、労働環境や社会の変化を反映したテーマが並びます。
第18回(昭和20年)~第33回(昭和35年)まではスローガンが設定されていなかった期間があります。
以下に歴代のスローガンをいくつか紹介します。
年 | スローガン |
---|---|
第1回 昭和3年 | 一致協力して怪我や病気を追拂ひませう |
第2回 昭和4年 | 健康は身の為 家の為 國の為 |
第3回 昭和5年 | 締めよ心 盡せよ設備 |
第62回 平成元年 | 決意新たに みんなで築こう災害ゼロの明るい職場を! |
第63回 平成2年 | 災害ゼロはみんなのねがい あなたのために家族のために |
第64回 平成3年 | みんなで決意 みんなで努力 前進させよう職場の安全 |
第95回 令和4年 | 安全は 急がず焦らず怠らず |
第96回 令和5年 | 高める意識と安全行動 築こうみんなのゼロ災職場 |
第97回 令和6年 | 危険に気付くあなたの目 そして摘み取る危険の芽 みんなで築く職場の安全 |
第98回 令和7年 | 多様な仲間と 築く安全 未来の職場 |
全国安全週間の今後の課題

全国安全週間は、長い歴史を持つ取り組みです。
労使が協力して災害防止に取り組んできた結果、労働災害の発生件数は長期的には着実に減少してきました。
令和6年の労働災害統計によると死亡災害は、統計開始以来最少を記録した前年をさらに下回る見通しになり、この点では一定の成果が見られます。
しかしその一方で、4日以上の休業を伴う死傷災害は前年同期を上回っており、平成21年以降続く死傷者数の増加傾向には依然として歯止めがかかっていません。
とりわけ深刻なのは、高年齢労働者の増加に伴う災害の変化です。
転倒や腰痛など、作業中の身体的負担に起因する災害が目立って増えており、従来の対策では対応しきれない課題となりつつあります。
また、死亡災害においては建設現場などでの墜落・転落事故が依然として多く、抜本的な対策が求められています。
全国安全週間が形式的な行事にとどまることなく、現場に即した実効性のある安全活動が継続的に推進されることが、今後ますます重要となっています。
まとめ
全国安全週間は、私たちが労働安全の基本に立ち返り、改めて職場の安全について深く考える貴重な取り組みです。
ぜひこの機会を利用して日々の業務に追われる中で見落としがちな危険要因や、慣れによって軽視してしまいがちなリスクを徹底的に洗い出してください。
全国安全週間をきっかけに現場全体で安全意識を高め、継続的な改善につなげていきましょう。

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