高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し安全対策のご提案をしています。
この記事では「草刈り作業時の安全対策」についてお伝えします!
ぜひご参考にしていただければと思います。
少しの油断が滑落事故につながる野良作業
農家さんなどが行う作業全般に関わる野良作業は一見すると、のどかなイメージを持つ方も多いでしょう。
しかし、野良作業の中でも草刈り作業は、転落・墜落の危険性が潜んでいます。
特に注意が必要なケースは、作業時に足元が斜面になっているときです。
平地の田んぼや畑であればこういった心配はありませんが、山間部や川沿いでの作業時は普段どおりに動けなくなることも珍しくありません。
刈払機を使用して草刈り作業をしている場合には、両手が塞がった状態でバランスを崩すといった事故を防止するため、フルハーネス等による安全確保が求められます。
刈払機の安全ロックだけでは対応できない可能性も
敷地面積が一定以上になると、刈払機を使用して草刈り作業をすることが多くなりますが、斜面での作業時には危険が潜んでいます。
刈払機は一般的に安全衛生教育を修了していても、機械構造の問題から緊急時の対応が非常に難しいものです。
肩下げタイプのセーフティロックはほとんどの刈払機に準備されていますが、いわゆる固定フックであることが多く、ふと足を滑らせた瞬間の緊急的な着脱は困難になります。
さらに、チップソーなどの刃を使用する場合には、横転や転倒だけでも大変危険な状態になります。
刈払機はエンジンを停止してもしばらくは刃の回転が続くため、止まる前に身体に触れて裂傷などのケガに繋がる恐れもあります。
こういったリスクを回避するためには、万が一姿勢を崩しそうになったときに、刈払機から手を離さずに身体を預けられるフルハーネスなどの装備が大切になってきます。
フルハーネスであれば複数点で身体を支えることが可能ですので、姿勢が崩れそうになった場合でも転倒防止や滑落の防止が可能になります。
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斜面の草刈りで注意したいポイントとは?
斜面の勾配にもよりますが、もっとも事故に繋がりやすいのは草で見えない部分が脆くなっており、そこに足を乗せた瞬間にバランスが崩れるというケースです。
また、草刈りで傾斜地になっている場所の多くは下が土や砂になっており、予想以上に育っていた根やツルなどが足元を狂わせてしまうこともあります。
そのことを踏まえた上で、斜面での草刈りで特に注意したいポイントを以下にまとめました。
ポイント① 勾配の角度
斜面では勾配がきつくなるほど滑落や事故の危険性が上がります。
見た目ではそれほど勾配を感じられない場所でも、実際に草刈り作業を始めると不安定になることも多いものです。
まずは草刈り範囲の上、もしくは下の部分を一定の範囲で刈払いを入れておき、勾配の角度は予め把握しておきましょう。
特に草が伸び切っているような場所では、地面の形が年数の経過で変化していることもあります。
傾斜地で30度以上の勾配がある場合には、少なくとも安全帯等での安全対策を講じることをおすすめします。
ポイント② 作業前の天気
雨などが続いたあとの傾斜地は、土壌によっては地滑りが発生しやすくなります。
雨を吸って泥状になった土はもちろんですが、刈り取った雑草が水分を含んでいると、傾斜の上で踏んだだけで非常に滑りやすくなります。
草が最も伸びやすい時期は春先から夏にかけてですが、梅雨によって雨量の多い時期でもあります。一見乾いた状態に見えたとしても、水はけが悪くなっていることも考えられます。
天候は足場を大きく左右する要因の1つですので、悪天候時には作業を避けるなど、無理な作業の進行は控えましょう。
ポイント③ 草丈や雑草の種類
草丈が高ければ高いほど、足元の状況は確認しにくくなり、少しの段差でも転倒に繋がるおそれがあります。
また、雑草の種類によってはツルが非常に長かったり、茎が強かったりすることもあるため、刃が止まった瞬間に反動が刈払機から身体へと伝わります。
特に、刃が止まった瞬間に回転数を上げている場合は強い反動があるため、事前に雑草の種類に応じて適切な刃を使用することも事故を防ぐポイントです。
作業の手間はかかりますが、安全のためにも雑草の種類によっては二度刈りを検討するなど、無理のない作業計画を立てましょう。
ポイント④ 滑落防止の対策をする
作業をしている人間がいくら気を付けていても発生するのが滑落事故の特徴です。
事故が想定されるような状況や現場であれば、予め滑落を防止するための対策をしておく必要があります。
靴をスパイクシューズにしたり、姿勢が悪くなりやすいポイントは手刈りをするなど、状況に合わせた作業対策が欠かせません。
しかし、これらを行った上でも万が一の事故に備えるためには、”滑落しづらい状況をつくる”だけでなく”滑落した場合に身を守れる対策”が必要になります。
なるべく1人で作業をしない
野良作業における滑落事故は、大怪我に繋がることもあります。
行き慣れた場所や住み慣れた土地では、どうしても野良作業が日常的なものになりがちです。普段から1人で作業をしていると、最初は緊張感を持っていてもだんだんと慣れてきます。
1人での作業になると、周囲への助けを求めることが難しくなるというリスクがあります。
また野良作業では、蜂やムカデ、蛇といった害虫対策も大切です。常に1人が動けなくなってしまった場合の想定をした上で作業にあたることで、事故被害を最小限に抑えられます。
緊急時の連絡先を把握しておく
緊急時の連絡先は、家族や自宅だけではなく、近隣の医療施設や保健所などを含めて把握しておきましょう。また、これらの連絡先を共有しておくことで、万が一の問題に対して迅速な対応がとれます。
野良作業の事故内容によっては有毒な蛇や蜂など、特殊な問題が発生することもありますので、迅速な治療に繋げられる導線も大切です。
まとめ
近年では後継ぎ不足の問題から、野良作業などに若者が従事しないこともあり、放棄されている田畑も増えてきています。
また、普段の手入れが難しい勾配のある斜面や法面は、できる限りの対策をした上で作業にあたることが重要です。
作業内容としては非常に単純な草刈りですが、実際に作業をするときには様々なリスクが存在しています。
作業前の敷地確認、道具類のメンテナンスや装備のチェック、緊急時に身を守るための対策などはしっかりと立てた上で作業工程を作成するようにしましょう。
普段から慣れているという理由でリスク軽視するのではなく、慣れているからこそ事故を未然に防止できるような対策をとり、安全を確保した上で作業することを心がけてみてくださいね。
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