冬季の労働災害にはどんなものがある?

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「冬場の労働災害」の安全対策を考えたいと思います。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。

寒暖差の激しい日本では、季節ごとに起こりやすい労働災害があります。

特に気温が下がる冬は、事故のリスクが高まる時期です。

本記事では、冬季に多発する労働災害の種類や特徴、防止のために取り入れるべき安全対策を解説します。

目次

冬に多い労働災害

冬の寒さや雪に起因する労働災害は「冬季労働災害」と呼ばれます。

冬季労働災害のうち特に多いのが、転倒・転落、車両事故、一酸化炭素中毒です。

転倒・転落事故

冬季労働災害のほとんどが転倒や転落に起因するものです。

冬は気温の低下により雪や雨水、結露が凍結し、地面や足場が滑りやすい状態になります。

特に寒冷地域では、日中に溶けた雪や雨水が夜間に再凍結し、薄い氷膜となる「アイスバーン」が問題になります。

アイスバーンは、見た目は乾いているようでも非常に滑りやすく、自動車のスリップや歩行者の転倒事故の原因となる危険な状態です。

作業時に足場が滑りやすい状態になっていると転倒・転落事故につながりかねません。

車両事故

冬季には車両事故が増加します。

普段であれば問題のない運転操作でも、路面が滑りやすい環境下では制動距離が伸び、ハンドル操作も効きにくくなるためです。

特にスリップによる追突や衝突事故は、冬季に多発する典型的な事例です。

また、車両を使用する業務では二次的な災害も起こりやすくなります。

荷物の積み降ろし中に車両が滑走して作業者に接触したり、凍結した荷台で足を滑らせて転落したりする事故が報告されています。

一酸化炭素中毒

冬場は、暖房器具の使用によって一酸化炭素中毒のリスクが高まる時期でもあります。

屋内でガスストーブや石油ストーブを使用する際、換気が不十分になると中毒を起こす事例が後を絶ちません。

一酸化炭素中毒は季節を問わず発生する労働災害でもあり、屋外ではコンクリート養生作業やトンネル内でのエンジン空ぶかしなど、換気の悪い環境で起こる可能性があります。

冬季災害事故対策

冬季災害事故の対策として、どのようなことが考えられるでしょうか。

危険箇所に対する準備

冬季に入る前の段階で、危険箇所を把握し、対応することが重要とされています。

現場を巡視し、滑りやすくなる可能性のある場所や凍結が想定される箇所を確認しておきましょう。

出入口、階段、通路、荷捌き場など、日常的に利用頻度の高い場所は特に慎重に行います。

ヒヤリハットの把握が事故の予防につながります。

危険箇所が特定できた場合、具体的な対策を講じます。

凍結や湿気の影響を受けやすい通路や出入口では、防滑マットを設置し、滑り止め効果のある靴を着用することで転倒リスクを減らせます。

積雪が多い地域であれば、作業現場の出入口や通路、荷捌き場などに融雪剤や除雪用具を常備し、状況に応じて迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。

車両の備え

業務で車両を使用する場合は、冬本番を迎える前に冬支度をしておく必要があります。

特に寒冷地域や積雪地域では欠かせない取り組みです。

気温が下がる前に冬用タイヤへ交換し、ブレーキやワイパー、バッテリーなど車両全体の点検も行いましょう。

積雪が多い地域ではタイヤチェーンを常備し、作業員が実際に装着できるよう訓練しておくことも大切なことです。

安全教育等

冬季における労働災害を防ぐには、安全教育の徹底が欠かせません。

作業時の注意点や、滑りやすい場所での行動方法を周知しておきましょう。

特に雪や凍結に慣れていない地域では、寒波到来で環境が急変し、事故リスクが高まるため十分な教育が必要です。

車両を運転する従業員には、冬道の運転安全教育として、速度を抑え長めの車間距離保持、急ハンドル・急ブレーキの禁止などを指導します。

まとめ

冬は地面や足場が滑りやすくなり、転倒・転落が起こりやすくなります。

また、寒さによる判断力・反応速度の低下や手足の感覚鈍化も事故リスクを高めます。

車両を使用する業務では、スリップによる交通事故の増加も冬季特有の問題です。

積雪の多い地域や気温が大きく下がる地域など、環境によってリスクは異なるため、状況に応じた安全対策が欠かせません。

冬季労働災害は、寒くなる前の点検と対策、そして従業員への安全教育を徹底することで防ぎましょう。

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