
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「安全の三原則」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。
「安全の三原則」についてご存知でしょうか?
職場における労働災害や事故は、いつどこで発生するか予測が困難です。
安全の三原則は、こうしたリスクから従業員を守るための基本的な考え方として位置づけられています。
近年、労働力不足が深刻化し、正社員・派遣社員・アルバイトなど多様な雇用形態で働く人々が同じ職場で業務を行うケースが増えています。
誰もが安全に作業できる環境作りの考え方として、安全の三原則が注目されています。
本記事では、この安全の三原則の内容と実践方法について詳しくご紹介します。
安全の三原則とは

安全の三原則とは、「整理整頓」「点検整備」「標準作業」の3つを柱とする概念です。
1920年代のアメリカで生まれたこの考え方は、労働災害の予防を目的とした基本理念として確立されました。
日本でも長年にわたり、工場や建設現場などさまざまな職場で安全管理の基盤として取り入れられています。
安全の三原則は、同時期に登場した「ハインリッヒの法則」とも密接に関係しています。
ハインリッヒの法則は、「1件の重大災害の背後には29件の軽微な事故と300件のヒヤリ・ハットがある」という小さな異常や不安全行動を放置すれば、いずれ大きな事故につながるという考え方です。

安全の三原則は、ハインリッヒの法則が示す「ヒヤリ・ハットの兆候」を日々の業務の中で早期に発見し、取り除くための実践的な指針といえます。
整理整頓
作業現場の安全を保つ上で基本となるのが「整理整頓」です。
不要なものを取り除き、必要なものを使いやすく配置することで事故のリスクが減り、作業効率の向上にもつながります。
「整理」は不要なものを処分すること、「整頓」は必要なものを見やすく・取り出しやすく・戻しやすく並べることを意味します。
この考え方を職場に定着させるには、5Sの実践が重要です。
- 整理:必要のないものを取り除く
- 整頓:必要なものを使いやすい状態で配置する
- 清掃:常に清潔に保つ
- 清潔:整理・整頓・清掃を継続して良い状態を保つ
- 躾:ルールを守る習慣を身につける
点検整備
点検整備は、設備や機器の故障による事故・トラブルを防ぐためにするものです。
異常の兆候を早期に捉えることで災害の発生を未然に防ぎ、安全な稼働状態を維持できます。
また、設備が常に良好な状態に保たれていれば、作業効率も安定し、生産性の向上にもつながります。
標準作業
標準作業とは、誰が作業にあたっても同じ手順で安全に進められる状態を整えることです。
作業内容を文章や図で示すことで経験の差や個々の判断によるバラつきをなくし、ヒューマンエラーを防ぎます。
標準化された手順が現場に定着すれば作業の品質と安全性が安定し、再発防止や新人教育の面でも有効に機能します。
安全の三原則を実践するためのポイント

「安全の三原則」を機能させるためには、皆が安全を「自分ごと」として捉え、継続的に取り組む姿勢が大切です。
トップダウンだけでなく、ボトムアップの安全活動も含めて職場全体で支えることで、安全文化は根づいていきます。
経営者
安全は現場任せにせずトップ自らがその重要性を打ち出し、社内外に明確な姿勢を示す必要があります。
予算の確保や人員配置、安全教育への投資など仕組みとして安全を支える体制作りは経営者の責任です。
安全衛生委員会の運営や安全監査の定期実施も、その一環として位置づけられます。
管理監督者
管理監督者は現場のルールを徹底させ、安全手順の実践を日々確認する役割を担います。
作業ミスやヒヤリ・ハットへの即時対応、設備の不具合の早期発見などリスクを逃さず拾い上げる視点が重要です。
新人や外国人労働者への教育や現場パトロールは、管理監督者の関わり方次第で現場の安全意識や行動レベルに大きな差が出ます。
現場作業者
安全の三原則を日々の作業の中で実践する中心的な存在が、現場作業者です。
整理整頓や機器点検を自ら行うとともに、違和感や異常に気づいた際は、すぐに周囲と情報を共有する姿勢が重要です。
また、KY(危険予知)活動や5S活動などに主体的に参加することで、職場全体の安全意識が継続的に高まっていきます。
まとめ
「安全の三原則」は、業種や職場の違いに関係なく、あらゆる現場に通じる基本的な考え方です。
整理整頓・点検整備・標準作業を日常の中で確実に実践できているかどうかが、職場の安全レベルを左右します。
災害防止において重要なことは、こういった日々の小さな行動の積み重ねであるともいえるでしょう。
ぜひ安全の三原則を意識しながら業務に取り組んでみてください。

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