安全管理のPDCAとは?サイクルの回し方を解説

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「安全管理のPDCA」から安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

現場の安全を守るため、安全管理には日頃から取り組まれていることと思います。

しかし、安全管理は体制を整えて終わりではなく、絶えず見直しを続ける必要があります。

継続して改善を進める手法として広く使われている枠組みが、PDCAサイクルです。

今回は、安全管理におけるPDCAの基本を踏まえ、計画から改善に至る手順を解説します。

目次

安全管理におけるPDCAとは

PDCAサイクルは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)の頭文字をとった管理手法です。

Planで目標と計画を立て、Doで計画に沿って実行し、Checkで結果を確認し、Actionで課題を改善します。

安全管理にPDCAを取り入れた枠組みとして、労働安全衛生マネジメントシステム(OSHMS)が挙げられます。

OSHMSでは、事業者が計画から改善までの過程を定め、継続的に安全衛生水準を高めていきます。

労働安全衛生規則第24条の2に基づき、厚生労働省が指針を公表しています。

労働安全衛生マネジメントの国際規格としてISO 45001が発行され、国内規格であるJIS Q 45001とも整合が図られています。

従来の計画と実行だけで終わる管理にとどまらず、評価と改善を循環させて継続的に向上を図る点が、OSHMSの特徴です。

安全管理でPDCAを回す4つの段階

安全管理でPDCAを回すときの4つの段階は、以下のようになっています。

段階安全管理での主な取り組み
計画(Plan)安全衛生方針の表明、リスクアセスメント、目標と計画の作成
実施(Do)計画の実行、体制の整備、労働者への教育と周知
評価(Check)日常的な点検、システム監査、目標の達成状況の確認
改善(Action)見直し、次の計画への反映

計画(Plan)

計画の段階では、安全管理の土台を整えます。

まず、職場に潜む危険性や有害性を洗い出し、影響の重大さを評価するリスクアセスメントを実施して、優先して対策すべき課題を明確にします。

評価結果をもとに達成すべき安全衛生目標を設定し、実現に向けた具体的な計画を作成します。

実施(Do)

実施の段階では、策定した計画を現場で実行に移します。

安全な作業を徹底するには、作業者が計画内容を正しく理解していなければなりません。

作業手順や注意点を周知して教育を行い、日常点検や危険予知活動といった現場の安全衛生活動を着実に進めます。

計画を現場に定着させ、定められた手順を全員が遵守する状態を目指します。

評価(Check)

評価の段階では、実施した対策が計画どおりに機能しているかを確認します。

安全衛生目標の達成状況や、労働災害およびヒヤリハットの発生傾向を突き合わせ、取り組みの効果を客観的に捉えることが重要です。

期待した成果が出ていない場合は原因を究明し、次の改善へとつなげていく必要があります。

改善(Action)

改善の段階では、評価で明らかになった課題から取り組みの見直しを図ります。

具体的には、効果が薄かった対策の変更や、新たに見つかった危険に対する対策の追加などが挙げられます。

見直し結果を次の計画へ反映させることでPDCAは一巡で終わらず、次のサイクルへとつながっていく流れです。

循環を重ねるごとに安全衛生水準が向上し、現場全体の安全性が着実に底上げされていきます。

PDCAを回す際のポイント

ここでは、PDCAサイクルをより実効性のあるものにするためのポイントをお伝えします。

経営トップが関与する

PDCAサイクルを円滑に機能させるには、経営トップの積極的な関与が欠かせません。

安全衛生に関する基本方針の提示や、必要な人員・予算の配分を担うのは経営陣だからです。

トップ自らが安全を優先する姿勢を明確に示せば、現場の当事者意識も向上します。

安全確保は事業運営と一体で進めるべき課題であり、組織全体で共通認識を持つ姿勢が不可欠といえます。

リスクアセスメントを起点にする

計画を実効性あるものにするためには、リスクアセスメントを起点に据える姿勢が求められます。

職場に潜む危険性や有害性を洗い出し、影響の重大さを評価することで対策すべき課題の優先度が明確になります。

危険要因の把握が不十分なまま計画を進めると判断を誤り、深刻な危険を放置することになりかねません。

重大なリスクを特定したうえで順位を決定すれば、限られた時間や費用を効果の高い対策へと集中させることが可能です。

形骸化を防ぐ

PDCAサイクルの運用で特に注意すべき点が形骸化です。

書類の作成自体が目的化し、現場の実態と乖離してしまっては成果につながりません。

形骸化を避けるには、達成度を判断しやすいように目標を具体化し、結果の記録をもとに検証を進める方法が有効です。

現場作業者の意見を吸い上げて改善に反映させれば、実効性の高い安全管理が実現します。

まとめ

安全管理におけるPDCAは、計画、実行、評価、改善を繰り返し、職場の安全を継続的に高めていく考え方です。

計画で方針の表明やリスクアセスメント、目標設定を行い、実行で計画を現場に定着させ、評価で点検や監査を通じて効果を確かめ、改善で見直した内容を改めて計画へ反映させます。

安全管理にPDCAを取り入れた枠組みがOSHMSであり、対策を一過性の取り組みで終わらせず見直しを重ねることで労働災害の防止につながります。

まずは身近な改善から着実に進め、現場の安全を守るためにサイクルを回し続ける姿勢が重要です。

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