貨物車・鉄道のメンテナンスの基本概要と安全対策を紹介

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「貨物車・鉄道のメンテナンス」について、概要と安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただけると幸いです。

貨物車や鉄道のメンテナンスは、物流と交通を支える大切な仕事です。

鉄道会社が自社で行っていることもあれば、専門の業者に委託している場合もあります。

メンテナンスでは実際にどのような作業が行われているのでしょうか。

この記事では、貨物車・鉄道メンテナンスの基本的な内容と、作業時に求められる安全対策について紹介します。

目次

貨物車・鉄道のメンテナンスは省令による義務

国土交通省

貨物車や鉄道のメンテナンスは、省令によって義務付けられています。

国のインフラを支える重要な存在であるため、国土交通省が安全かつ安定した運行を維持できるよう制度を整えているのです。

その根拠となるのが、平成13年に施行された「鉄道に関する技術上の基準を定める省令」です。

この省令に基づき、国土交通省は「施設及び車両の定期検査に関する告示」を出し、具体的な点検項目や頻度を定めています。

告示では、貨物車や鉄道に関わる以下の施設および車両について、定期点検を行うとされています。

  • 線路
  • 電力設備
  • 運転保安設備
  • 車両

線路の定期検査では軌道だけでなく、トンネルなどについても点検を求めています。

電力設備では電車線や変電機器、電線路などの保護装置などが対象です。

運転保安設備では信号や電車の間隔を確保するための装置、自動ブレーキなどの定期検査が求められます。

参考:施設及び車両の定期検査に関する告示

貨物車・鉄道の車両メンテナンスの種類

貨物列車

車両の定期的なメンテナンスについては、細かな規程があります。

ここでは貨物車・鉄道の車両について定期検査で求められている項目を紹介します。

状態・機能検査

状態・機能検査とは、ブレーキや電気系統などを車体の分解をせずに実施する検査です。

内部の動作確認を試験によって確認するのが主な目的で、貨物車・鉄道が本来あるべき機能を損なっていない状態かどうかを調べてメンテナンスをします。

月検査、交番検査とも呼ばれていて、広い意味では日常点検に相当する列車検査や仕業検査も含みます。

法的には通常の電車の場合には、3ヶ月に1回の頻度で実施することが求められている検査です。

重要部検査

重要部検査は、運行の安全性に大きな影響があるブレーキやエンジンなどの分解をする点検・整備のメンテナンスです。

車両の解体を伴うので、整備工場へ運び込んで1週間~3週間程度の日数をかけて実施します。

通常の電車の旅客車では4年または走行距離が60万キロメートルに達する前、貨物車では2年6ヶ月に1回の頻度で実施するように定められています。

全般検査

全般検査とは、オーバーホールに近いメンテナンスです。

今後、車両を使用する上で不具合が起こり得る部分を徹底して修繕し、内装や外装の再塗装などもおこないます。

最長で1ヶ月かかる大がかりなメンテナンスですが、安全を保つためには欠かせません。

通常の電車の旅客車では8年、貨物車では5年に1回の頻度で実施する必要があります。

貨物車・鉄道のメンテナンスで必要な安全対策

ヘルメット

貨物車や鉄道のメンテナンスでは、事故を防ぎ、安定した作業を進めるためにも安全対策の基本を押さえておくことが大切です。

ここでは、現場で重視されている安全対策のポイントを紹介します。

メンテナンス・スケジュールの策定

メンテナンスを安全かつ確実に進めるためには、あらかじめ無理のないスケジュールを組んでおくことが重要です。

点検や整備が過密になれば、現場での事故リスクも高まります。

法令で定められた基準を満たしつつ作業を進められるよう、適切な計画を立てる必要があります。

作業に必要な人員もあらかじめ確保しておきます。

保護具の着用

貨物車や鉄道のメンテナンス作業では、保護具の着用が欠かせません。

軍手やヘルメットといった基本的な装備はもちろん、現場にいる間は常に着用し、安全を確保する必要があります。

作業内容によっては、フルハーネスなどの専用装備が求められる場合もあります。

高所作業の対策

貨物車や鉄道のメンテナンスでは、高所での作業が必要になる場面があります。

車両を吊り上げての点検や、車両上部での修理など、多くの作業が高所で行われます。

こうした作業では、安全確保と作業効率の両面から、適切な足場を設けることが重要です。

状態や機能を確認するだけの軽作業であれば足場を使わない場合もありますが、重要部検査や全般検査では高所作業が避けられません。

まとめ

貨物車や鉄道のメンテナンスは、安全な運行を維持する上で欠かせない業務です。

国土交通省の省令に基づき、状態・機能検査、重要部検査、全般検査の実施が義務づけられています。

点検や整備を適切に行うためには、安全な作業環境の整備が前提となります。

保護具の着用を徹底し、高所での作業には足場などの安全対策を講じましょう。

弊社は、高所作業における安全対策に精通した専門企業です。

現場での安全管理や設備の整備についてお悩みの際は、どうぞお気軽にご相談ください。

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