
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「安全パトロール」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。
作業員の命を守るために欠かせない取り組みが「安全パトロール」です。
本記事では、安全パトロールの本来の目的から、見落としがちなチェックポイント、事故予防・再発防止に繋げるための運用方法まで詳しく解説します。
現場の安全管理をより強固なものにするための参考にしてください。
安全パトロールとは?

安全パトロールとは、労働災害や事故を未然に防ぐために、現場を巡回して安全状態を確認する活動のことです。
単に「見回り」をするだけでなく、「不安全な状態(環境)」と「不安全な行動(人)」の両面からリスクを特定し、是正することが役割です。
- 不安全な状態:足場の不備、手すりの欠如、整理整頓の不足、機械の故障など
- 不安全な行動:保護具の未着用、高所での無理な姿勢、手順を無視した作業など
安全パトロールは、以下の役職者に実施が義務付けられています。
| 役職 | 巡視の頻度(例) |
| 安全管理者 | 現場を定期的に巡視し、設備・作業方法に危険がないか確認する |
| 衛生管理者 | 少なくとも毎週1回、作業場を巡回する |
| 産業医 | 少なくとも毎月1回、作業場を巡回する |
定期的に第三者の目を入れることで現場に慣れた作業員が見逃しがちな異変や油断を排除し、安全な職場環境を維持する役割を担っています。

安全パトロールの目的

安全パトロールの究極の目的は作業員の命を守ることですが、細かく分けると以下の3つの目的があります。
労働災害の未然防止
まずは安全パトロールによって労働災害を未然に防ぎ、現場の安全を維持することです。
建設現場は日々状況が変化するため、昨日の安全が今日の安全とは限りません。
パトロールによってその時々の不安全な状態を特定し、事故が起きる前に芽を摘み取ることで無災害(ゼロ災)を継続させることを目指します。
安全ルールのマンネリ化防止
現場に慣れが生じると、決められた安全ルールが守られなくなったり、手順が省略されたりといった不安全な行動が発生しやすくなります。
第三者の目を入れて現場に健全な緊張感をもたらし、安全意識を常に高い水準で維持させる狙いがあります。
安全管理体制のボトムアップ
個別の危険箇所を見つけるだけでなく、現場全体の安全レベルを底上げすることも目的です。
パトロールを通じて得た気づきや、過去の事故・ヒヤリハットへの対策が正しく反映されているかを確認し、現場にフィードバックします。
作業員一人ひとりが「自ら安全を確保する」という安全文化を醸成し、組織全体の安全管理能力を高めます。

安全パトロールのチェックポイント

安全パトロールでは多岐にわたる項目を確認しますが、なかでも建設現場で重要となる代表的なチェックポイントを紹介します。
5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)
安全パトロールの基本となるのが5Sの確認です。
資材や工具が所定の場所に保管されているか、通路や作業スペースに不要な物が放置されていないかを確認します。
整理整頓が不十分な現場では、つまずきや落下物による事故が発生しやすくなります。
保護具の着用状況
作業員がヘルメット、安全靴、墜落制止用器具(フルハーネス等)、保護メガネなどの保護具を正しく着用しているかを確認します。
着用していても、あご紐が締まっていない、ハーネスのバックルが正しく接続されていないなど、不完全な着用にも注意が必要です。
安全標識・掲示物
立入禁止区域の表示、危険箇所の標識、作業手順書の掲示が適切に行われているかを確認します。
掲示物の破損や、表示内容が現在の作業状況と合っていないケースにも注意を払います。
作業員の不安全行動
ヘルメット未着用、合図なしでの重機操作、指定外の場所での喫煙など、ルールに反する行動がないかを確認します。
不安全行動を発見した際は、頭ごなしに注意するのではなく、行動の原因に焦点を当てた対話を行うことが、再発防止につながります。
設備・機器の点検状況
重機や工具、仮設設備の始業前点検が実施されているか、点検記録が残されているかを確認します。
安全装置や保護カバーの作動状況も重要な確認項目です。
高所作業に関する重点チェック項目

建設業の労働災害で最も多い事故は「墜落・転落」です。
安全パトロールでは、高所作業に関する確認を特に入念に行う必要があります。
以下に、高所作業に関連する主な点検項目をまとめます。
足場の安全確認
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 手すりの設置 | 高さ85cm以上の手すり、中さん、幅木が正しく設置されているか |
| 筋かいの状態 | 筋かいの抜け・外れ・損傷がないか |
| 足場板の状態 | すき間や段差がないか、固定されているか |
| 端部の措置 | 足場の端末部に墜落防止用の手すり・中さんが設置されているか |
| 昇降設備 | 昇降はしごの転位防止措置(上部・下部固定)、上端の突出60cm以上が確保されているか |
| 点検の実施 | 組立時・悪天候後・地震後の点検が実施され、記録が残されているか |
開口部・作業床端部の墜落防止
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 墜落防止設備 | 高さ2m以上の作業床の端や開口部に、囲い・手すり・覆い等が設置されているか |
| 臨時の取り外し | 作業上やむを得ず囲い等を取り外す場合、安全ネットの設置や墜落制止用器具の使用が徹底されているか |
| 立入禁止措置 | 墜落のおそれがある箇所に、関係者以外の立入禁止措置がとられているか |
墜落制止用器具(フルハーネス等)
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 着用の徹底 | 高さ2m以上の作業箇所で、全作業員が墜落制止用器具を着用しているか |
| フックの掛け先 | 親綱やアンカーポイントなど、適切なフック掛け先が確保されているか |
| 器具の状態 | ランヤードの摩耗・損傷がないか、ロック装置が正常に作動するか |
| 正しい使用方法 | 腰より高い位置にフックを掛けているか、1本吊り専用のものを足場の柱に巻き付けていないか |
はしご・脚立
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 脚立の適正使用 | 天板に乗っていないか、またがって使用していないか、体を乗り出していないか |
| 可搬式作業台への代替 | 脚立作業をローリングタワーや可搬式作業台に代替できないか検討しているか |
| 点検の実施 | 脚立のガタつき、ステップの破損等がないか |
悪天候時の対応
| 確認項目 | チェック内容 |
|---|---|
| 作業中止基準 | 大雨、強風、大雪等の悪天候時に高所作業を中止しているか |
| 荒天後の点検 | 悪天候の後に足場や仮設設備の点検を行っているか |
まとめ
今回は、建設現場における安全パトロールについてお伝えしました。
安全パトロールは、労働安全衛生法に基づく法的義務であると同時に、現場で働く作業員の命を守るための大切な活動です。
ソフト面の安全教育・パトロールとハード面の安全設備整備を両輪で進め、労働災害のない安全な現場を目指しましょう。

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