高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「携帯基地局の点検」に目を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。
携帯基地局は現代社会のインフラとして我々の生活に欠かせない役割を果たしています。
スマホを使わない人はもうほとんどいないと言われる時代において、安定的にサービスを提供するためには設備の点検が不可欠です。
実はビル屋上の携帯基地局の点検は、他の基地局に比べて実施に厳しい要件があります。
ビル屋上の携帯基地局の点検をする上で必要な設備・装備・資格を紹介するので、安定的に運用できるように取り組んでいきましょう。
ビル屋上の携帯基地局の点検とは
ビル屋上の携帯基地局の点検とは、ビル屋上に設置された携帯電話の通信拠点のメンテナンスのことを指します。ビルやマンションの屋上などによく設置されています。
他にも鉄塔タイプや小型基地局、屋内基地局などもありますが、オフィスビル屋上に設置すると企業によっては電場状況が良くなることが多いので設置例が多くなっています。
メンテナンスの内容として基本となるのが以下の内容です。
電波状況の確認
携帯基地局は携帯電話の電波の橋渡しをしています。
アンテナや送受信機などに不具合が起きると電波状況が悪くなるので、現場で正常な電波状況かどうかを確認するのが重要な点検内容です。
電波状況が過去に比べて悪くなっている場合には不具合が発生している可能性があるため、詳細な調査をおこないます。
アンテナの交換・調整
携帯基地局ではアンテナを設置して電波を受信しています。
ビル屋上の携帯基地局の点検では、電波状況が悪くなっていた場合にアンテナの交換や調整をして対応するのが基本です。
アンテナの状態を確認して劣化が見られた場合には交換作業をします。
ビル屋上はいつも太陽光や雨風にさらされていて劣化しやすいため、点検時に交換が必要と判断されることは少なくありません。
また、不具合ではなく、通信量の増加によって対応できなくなっている場合にはアンテナの増設をする場合もあります。
ボルトやビスの点検
ビル屋上の携帯基地局の点検では電波の送受信だけでなく、アンテナや送受信機などに物理的な問題がないかを確認します。
ボルトのゆるみやビスの抜けなどを点検して、問題が見つかった場合にはボルトを締めたりビスの打ち直しをしたりする作業をします。
経年劣化が見られるときにはボルトやビスの交換をして、トラブルが起こらないようにするのが基本作業です。
安全なビル屋上の携帯基地局の点検に必要な設備・装備
ビル屋上で携帯基地局の点検をするには、安全に作業できるようにするための設備や装備が必要です。
ビル屋上の状況によって何が必要かは違いますが、以下の2つは必須と考えた方が良いでしょう。
キャットウォーク
ビル屋上では安全に作業できるようにキャットウォークを設置するのが有効です。
ビル屋上を歩いて点検や調整などの作業をするため、スムーズに移動できて安全性が高い製品を使って足場となるキャットウォークを設けるをおすすめします。
高所での移動や作業は緊張もあり、疲れやすくなることもあります。そういった時に足元が悪く転んでしまうと思わぬケガにも繋がる可能性があり、作業員の負担も安全リスクも大きくなります。
ビル屋上の携帯基地局の設備にはキャットウォークを設置して、移動や点検のしやすい環境を整えましょう。
フルハーネス
キャットウォークを設置した場合にも、手すりがない場合にはフルハーネスを使用して作業する必要があります。ビルの屋上に手すりがある場合でも、アンテナの高所で作業をする場合にはフルハーネスによる安全対策をしなければなりません。
フルハーネスは屋上環境によっては必須ではありませんが、携帯基地局での安全性を確保する上で用意しておくべき装備です。
また、いくらフルハーネスを装着していても、肝心のランヤードフックをかける先がなければ意味がありません。万が一の転落時はもちろんですが、危険箇所への接近を防ぐなど、事故を未然に防ぐ視点から「フックを掛ける先」を設置することも頭に入れておくべきでしょう。
ビル屋上の携帯基地局での点検に重要な資格
ビル屋上の携帯基地局の点検をするときには資格が必要な場合があります。
ただ、点検をする環境整備の状況によっては資格がなくても点検作業をすることが可能です。
ここでは点検をする上で重要な資格と必要性について解説します。
フルハーネス特別教育
フルハーネス特別教育は、2m以上の高所で作業をするときに必要なフルハーネスの装備を使うために従業員に資格取得が求められます。
ビル屋上の携帯基地局の点検をするときにはキャットウォークを設置したとしても必要になることが多いので、学科と実技の講習を通して安全に作業できるようにするのが大切です。
ロープ高所作業特別教育
ロープ高所作業特別教育は、2m以上の高所でロープ昇降器具を使用するために従業員に求められる資格です。
作業床がある場合にはロープで作業をする必要はありませんが、ロープアクセスで作業をしなければならない基地局では資格を持っている人が対応しなければなりません。
まとめ
ビル屋上の携帯基地局の点検では高所作業を伴うので、安全に作業を進められるキャットウォークを屋上に設置するのが大切です。
フルハーネスによって墜落防止をすれば安全性の高い状況で点検作業を進められます。
フルハーネスやロープが必要な場合には資格を取得することも必要です。
現場の安全性確保と法令遵守を考えて、設備や装備、資格の準備を整えましょう!
当社は高所作業における安全対策のスペシャリストです。高所安全対策でのお困りごとなどがございましたらぜひお気軽にご連絡ください。
株式会社G-place 設備資材事業グループ
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