
高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し安全対策のご提案をしています。
この記事では「フルハーネス着用が必要な業種」について解説します!
ぜひご参考にしていただければと思います。
2022年1月よりフルハーネス型墜落制止用器具が業種や職場環境によっては特別教育、及び現場での着用が義務化されました。
安全帯に関する変更点の通知だけを見ると、「高所作業に従事している職人さんや事業所全てはフルハーネスを使用しなければならないの?」と、取り間違えられるケースもあるのですが、実際には仕様すべきかどうかの判断が曖昧なところも存在しています。
例えば、建設業においては5mを基準にフルハーネスを使用しなければならない、という法改正を全てのケースに当てはめて考えてしまうというのもひとつのケースです。これは逆に、着用の必要があるのに該当しないと勘違いしてしまう原因にもなりやすいです。
フルハーネス着用義務化にかかる判断材料はどこにあるのか、正しく理解することでこれらの疑問はわりと簡単に解決できます。
以下を参考にして、正しく理解し、安全な作業実施を心がけていただければと思います!
作業床の設置が困難な場所(高さ2メートル以上)での作業


フルハーネス義務化を求められる業種はやはり墜落事故率の多い建設業であることは間違いないのですが、建設業であってもフルハーネスを着用する必要がない現場職人さんも存在します。
フルハーネス着用が完全に必要なのは、「高さ6,75m(建設業においては5m以上)での作業」という状況が前提であり、いわゆる高所からの転落、墜落事故という状況を防止するのが主な目的です。
しかし、一般住宅のような建設業が主体の会社であれば、高さ5mを超えるというのは屋根工事などの一部に限られてきます。その一方で、柱上作業や屋根上作業、鉄骨上の作業に加えて、同じ建設業に分類されても足場設置業者(いわゆるとび職等)などは必然的に使用頻度が増えるものです。
いわゆる大工さん等、主に建設業の内側を担当する職人さんにおいては、足場があることによってフルハーネスを必要としないケースも多くなります。
事業者の視点からすると、複数の工事を請け負うという形態の場合であれば、【職種】【作業床の有無】【作業時の高さ】の3点をしっかりと確認しつつ、フルハーネスの着用が必要かどうかを判断していく必要があります。
フルハーネスを着用したから足場が不要というわけではない

労働災害が起こるメカニズムには様々なものが存在しており、一概に「これだっ!」という原因を特定出来るというものではありません。
しかし、多くの場合では労働環境が密接に影響していることは否定できません。そもそも、足場のない現場環境が問題であるという指摘をする専門家も多いのが労働災害防止への課題点でもあります。
ただし、仮に足場を設置しているからといってそれだけで安全が担保されるわけではありません。労働者の体調管理、注意力散漫などで重大な事故につながる可能性はいくらでも残っているわけです。
まず最初に整えるべきは「現場の労働環境」であり、その中の取り組みの1つが墜落制止用器具の使用である、というのが本筋となります。
労働災害を防ぐための安全対策は事故リスクのパーセンテージを少しずつ減らすことが大切です。そのためには事業者と労働者の間で「安全対策への意識の齟齬を減らす」ということがとても重要です。
高さ5メートル以下、2メートル以上での作業について


以前、「フルハーネスが危険になる!?自由落下と高さ2メートルの壁」という記事でもご紹介しましたが、フルハーネスが必要になる場面とは反対に、フルハーネスが危険を招いてしまう可能性のある状況にも注意をする必要があります。
フルハーネスが危険になる!?自由落下と高さ2メートルの壁 | 高所安全対策の新基準!常設型転落防止システム「アクロバット」 (akrobat.jp)
特に判断に悩むのは、6.75メートル以下(建設業で5メートル以下)、かつ2メートル以上で作業をしなければならない環境だと言えます。出来る限り足場を設置するのはもちろんなのですが、胴ベルト型安全帯とフルハーネス安全帯の使い分けも考えておく必要があるのです。
疑問を感じたら会社に確認をしてみよう

現場で働く人々にとって、自分が所属している会社の安全対策を普段は意識する機会が少ないかもしれません。
しかし、いざ危険な場面に遭遇してしまうと、自分の会社の取り組み方などに疑問が浮かぶという方も多いのではないでしょうか?
また、フルハーネス義務化の法改正は、業種や条件によっても適用される範囲が変わるものですので、自分が働いている環境が新しい基準に対応出来ているかどうかも分かりにくい部分は存在します。
特に6.75メートルと5メートルの差は建設業に分類されるかどうかで判断されることになるため、一人親方や小規模事業者は、日本産業分類を参照するなどを利用して自社が当てはまる業種をしっかりと確認しておきましょう。
複数の作業や業務が重なる業種では、場合によってはフルハーネスを適用する必要があるかもしれません。もちろん、その逆も同じですので、ぜひ機会を見つけて安全対策全体を見直してみてください。
また、安全対策についてなにかわからないことや不安なことなどございましたら、お気軽に我々G-Place 設備資材事業グループにご相談くださいませ!

株式会社G-place 設備資材事業グループ
📞03-3527-2992
受付時間 9:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
■関連ニュース記事
2023/03/06 産業保健新聞
【2023年10月から】墜落・転落防止対策が強化されます!~足場点検時の氏名が義務化~
2023/02/27 労働新聞社
荷台からの転落防止 昇降設備設置義務を強化 厚労省
2022/09/12 労働新聞社
屋根上対策手引見直しを 作業内容に応じ対策追加へ 厚労省 墜落・転落実務者会合で
2022/07/08 日刊建設工業新聞
厚労省/墜落・転落災害防止対策の議論再開、マニュアル大幅改定へ
2022/05/10 労働新聞社
増加する建設業の災害防止へ 運動展開し意識高める/令和4年度 主要労働局の運営方針
2022/03/02 労働新聞社
墜落死亡災害の防止徹底を要請 建災防東京支部