新規格対応のフルハーネス型墜落制止用器具おすすめ5選【2024年版】

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し安全対策のご提案をしています。
この記事では「おすすめの新規格対応フルハーネス」についてできるだけわかりやすくお伝えします!

フルハーネス着用義務化が迫っており、新規格対応のフルハーネス型墜落制止用器具をお探しの方も多いのではないでしょうか?

このコラムではフルハーネスの旧規格と新規格の違い、新規格に適合しているおすすめのフルハーネス、また同時に受講が義務となった特別教育についてまとめました。

ぜひフルハーネスと新たな構造規格についてのご参考になれば幸いです。

目次

フルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)とは

フルハーネスと水平型ワイヤータイプ

フルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)とは”高所作業での墜落事故を防ぐための安全装具”のことです。

高所現場に設置された安全帯取付設備(親綱)と身体に装着したフルハーネス型安全帯とをランヤード(フック付ロープ、ストラップ)で繋いで使用します。

補足:安全帯が墜落制止用器具に変わりました
2019年2月の政令等改正により、「安全帯」は「墜落制止用器具」へと正式名称が改められ、新たな構造規格が定められました。
本コラムでは新規格に適合したものを墜落制止用器具とし、特に指定がない場合は墜落制止用器具(安全帯)と記載しております。

出典:厚生労働省 資料 安全帯が「墜落制止用器具」に変わります!(2019年1月)

フルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)の使用方法としては、

  1. ランヤードの長さで作業員の移動範囲を制限して危険な場所に近づかせないようにする。(レストレイントシステム)
  2. 作業員が墜落しても安全帯取付設備とランヤードと安全帯で宙吊りになった作業員を支え、地上への衝突を防ぐ。(フォールアレストシステム)

の2段階に分けられ、高所現場作業の危険から着用者の身を守ります。

フルハーネス型の安全帯は、胴ベルト型安全帯と機構が異なり、身体が安全帯から抜け出すことや胸部・腹部に圧力が集中するリスクを低減するために、肩、腿、胸などの複数のベルトで身体に装着します。

また、宙吊り状態になっても着用者の姿勢が”逆さま姿勢”になることの防止、墜落阻止時に発生する衝撃荷重を大幅に低減にする”ショックアブソーバー”といった機能も備えています。

旧規格品は2022年以降使えなくなった?

困った男性スタッフ

厚生労働省は、2019年2月1日に5m以上の高所作業では、”フルハーネス型”墜落制止用器具の原則使用などを盛り込んだ労働安全衛生法施行令(安衛法)と労働安全衛生規則(安衛則)の改正政省令を施行しました。

この改正政省令は、建設業では5m以上の高所作業でフルハーネスの着用を推奨、高さ6.75m以上で着用を義務化した内容の政省令です。

▼フルハーネス着用義務化について、詳しくはこちらの記事もご覧ください

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同時に安全帯の規格を改正した「墜落制止用器具の規格」も施行され、2019年8月以降は新構造規格に適合しない墜落制止用器具の製造禁止、そして2022年1月2日以降には、メーカーや代理店は販売、現使用者の着用の禁止も定めています。

そして2022年1月2日をもって“経過措置(猶予期間)”が終了したため、現在は旧規格品の使用は認められておらず、高所作業を実施する業者はすべて新構造規格に適合した墜落制止用器具を使用しなければなりません。

▼新規格と旧規格についてはこちらの記事も参考にしてください

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新規格品と旧規格品はどこが違う?

工具・ヘルメット

フルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)の新規格品と旧規格品との違いはご存じでしょうか?

新規格のフルハーネス型の安全帯をより深く理解してもらうために、労働安全衛生法の安全帯の規格(旧規格)と墜落制止用器具の規格(新規格)におけるフルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)の主な違いについて紹介します。

規格名

旧規格安全帯の規格
新規格墜落制止用器具の規格

使用制限

旧規格規定なし
新規格6.75メートルを超える高さで使用する墜落制止用器具はフルハーネス型
着用する者の体重及びその装備品の質量の合計に耐えること
ランヤードは作業箇所の高さ及び取付設備等の状況に応じ適切なもの

フルハーネスの衝撃荷重値

旧規格8.0kN以下
新規格トルソー(100kg又は85kgの試験用落下体)を保持すること

フルハーネスの落下体の角度(ワイヤーと着用者とのなす角度)

旧規格30°以下
新規格45°以下(環が胸部に備えられている場合等は50°以下)

ショックアブソーバの耐衝撃性

旧規格ショックアブソーバの伸びが650mm以下
新規格第一種 自由落下距離1.8mの場合
衝撃荷重値4.0kN以下、ショックアブソーバの伸び1.2m以下
第二種 自由落下距離4.0mの場合
衝撃荷重値6.0kN以下、ショックアブソーバの伸び1.75m以下

ハーネス本体の強度

旧規格11.5kN以上
新規格頭部方向への引張値15.0kN以上
足部方向への引張値10.0kN以上

ランヤードの強度

旧規格15.0kN以上
新規格織ベルト又は繊維ロープは22.0kN以上
ワイヤロープ又はチェーンは15.0kN以上
第一種ショックアブソーバと組み合わせて使用する織ベルト及び繊維ロープは15.0kN以上

ショックアブソーバの強度

旧規格11.5kN以上
新規格15.0kN以上

巻取り器の強度

旧規格11.5kN以上
新規格11.5kN以上
ロック機能を有する巻取り器は6.0kN以上

新規格対応のフルハーネス型墜落制止用器具おすすめ5選

①REVO HARNESS TH-508-OT

REVO HARNESS TH-508-OT

出典: https://www.fujii-denko.co.jp/product/harness/revo/

安全器具の日本国内メーカー最大手”藤井電工”のフラグシップモデルです。
装着のしやすさ、動きやすさ、衝撃分散に優れています。

■メーカー名:藤井電工株式会社


②スカイハーネス・スカイハーネス フロントプラス

安心の130kg対応型!ワンタッチバックルによる高い装着性能とスライド式腰部ベルトで快適な装着感。
警視庁や消防庁などにも採用実績のある安心の製品です。フロントプラスは胸部にもD環があり用途範囲が広がります。

■メーカー名:株式会社TOWA

🆕弊社にてお取り扱いしております


③輝Ⅱ ST#574AD-OTⅢ 作業ベルト(ワンタッチバックル)付き

輝Ⅱ ST#574AD-OTⅢ

出典:https://www.tanizawa.co.jp/products/belt/belt-harness/harness-series-kagayaki/st574ad-ot

動きの激しい作業でも緩みにくく、さらに耐久性に優れた金属製の胴ベルトアタッチメントを採用したプロ仕様のフルハーネス型墜落制止用器具です。
腰パッドを標準装備しているので、重量物を運んだり、重い工具をつけた時の身体への負担も軽減してくれます。

■メーカー名:株式会社谷沢製作所


④江戸鳶 ETN-10A型(フルハーネス本体のみ)

江戸鳶 ETN-10A型

出典:https://www.sanko-titan.co.jp/product/harnesstype/

抜群の着心地とシルエットから建設業を中心に不動の人気を誇るPROモデルです。
ハーネスのベルトが身体の動きに合わせてスライドするのでしゃがむ、かがむ等の動作でもベルトが突っ張らないため、軽快に動くことができます。

■メーカー名:サンコー株式会社


⑤ハーネスZA

ハーネスZA

出典: https://jpn.tajimatool.co.jp/product/4975364261281

タジマの設計技術と縫製技術を注ぎ込んだ最高峰のフルハーネス型墜落制止用器具です。
柔軟な素材の自在環を軸にしているので、多様な動きに対応してくれます。

■メーカー名:タジマ(TAJIMA)


高所作業時の安全対策には親綱(ランヤードフックをかける先)が重要!

フルハーネス型墜落制止用器具の完全導入への法整備が進んでいるものの、ランヤードフックをかける先である”親綱”(安全帯取付設備)も含めた"墜落・転落防止システム"の規格は日本ではまだ定められていません。

高所作業は建設中だけでなく、建設後もメンテナンス作業などを行わなければならないのにも関わらず、残念ながら簡易的な安全柵しか設置されていないのが実情です。

いくら安全性の高い新規格のフルハーネス型墜落制止用器具を着用しても、それを繋げる親綱の設備がない、もしくは十分な強度が備わっていなければ、高所作業者は危険にさらされ、高所作業事故の撲滅に至ることはできません。

産業施設の高所には、室外機、ダクト、ソーラーパネル、避雷針、看板、屋上緑化などが設置されているため、包括的に安全を担保する"親綱"の常設が必要なのです。

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常設型転落防止システム「アクロバット」

水平型ワイヤータイプ

「アクロバット」は2005年にシンガポールで創業した墜落・転落防止装置および現場アクセスシステムのリーディングカンパニーです。

墜落・転落防止装置の設計、開発および設置を一貫して行っており、各種安全装具も提供しています。

また「アクロバット」は、ヨーロッパEN規格に準拠した常設型転落防止システムの製品名でもあり、2020年現在、世界各地の産業施設で700件以上の設置実績を誇ります。

製品の特長は下記の通りです。

  • 墜落防止システムの国際規格であるヨーロッパEN規格に準拠
  • 世界のランドマーク建築物をはじめ、700件を超える豊富な実績
  • 様々な屋根にぴったりで最善な安全対策をご提案
  • 墜落防止システムの機能を保ちながら建物と調和のあるデザインを採用
  • 施工後の定期点検サービスなどアフターサービスも万全
アクロバットが選ばれる7つの理由

特別教育について

2019年2月1日の改正労働安全衛生法施行令に伴い、地上からの高さが高さ2m以上で作業床を設けることが困難な場所でハーネス型墜落制止用器具を使用して作業を行う高所作業者は、「墜落制止用器具を用いて行う作業に係る業務に係る特別教育」の受講が義務付けられました。

特別教育の内容

●学科:
  ‐ 作業に関する知識(60分)
  ‐ 墜落制止用器具(フルハーネス型に限る。以下同じ)に関する知識(120分)
  ‐ 労働災害の防止に関する知識(60分)
  ‐ 関係法令(30分)

●実技:
  ‐ 墜落制止用器具の使用方法等(90分)

 なお、2019年2月1日時点においての作業経験、および取得済の資格によっては、一部の科目が免除されます。

科目免除について

●高さ2m以上の作業床を設けることが困難な場所で、フルハーネス型を用いて行う作業に6ヶ月以上の従事者は以下の科目免除が適用される。

  ‐ 作業に関する知識
  ‐ 墜落制止用器具(フルハーネス型に限る。以下同じ)に関する知識
  ‐ 墜落制止用器具の使用方法等

●高さ2m以上の作業床を設けることが困難な場所で、胴ベルト型を用いて行う作業に6ヶ月以上の従事者は以下の科目免除が適用される。

  ‐ 作業に関する知識
  ‐ 墜落制止用器具の使用方法等

●足場の組立て等特別教育またはロープ高所作業特別教育を受講修了者は以下の科目免除が適用される。

  - 労働災害の防止に関する知識

まとめ

フルハーネス型墜落制止用器具(安全帯)の新旧規格、おすすめの新規格対応のフルハーネス型墜落制止用器具、そして高所作業の安全対策で忘れてはならない安全帯取付設備(親綱)と特別教育について紹介させて頂きましたが、改めて墜落制止用器具の大切さをご理解いただけましたでしょうか?

現在フルハーネス型安全帯の旧規格から新規格製品への措置期間で、建設業労働災害防止協会(建災防)では新規格品への買換えを対象に、1本あたり最大12,500円の補助金を交付しています。
※令和2年度の補助金申請受付は2020年10月に終了しております

まだ旧規格品を使用されているのであれば、新規格品のフルハーネス型墜落制止用器具を早期に購入されることをおすすめします。

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