固定はしご(タラップ)昇降時の安全対策は万全ですか?潜む危険や有効な対策を解説します!

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
この記事では「固定はしごの安全対策」についてできるだけわかりやすくお伝えします!

現場で活躍する方たちにとって、しっかりとした安全対策が行われているかどうかは非常に重要であり、命に関わる問題でもあります。

何十年も仕事に関わるプロの職人であっても、不十分な安全対策により大きな事故が起きているのが現状です。
念には念をいれ、安心して働ける環境づくりをしていきたいものです。

この記事では、固定はしご(タラップ)を利用する場合の注意点から、安全対策について詳しくお伝えしていきます。

「そもそも固定はしご専用の安全対策ってあるの?」
「タラップの昇り降りを安全に行うためにはどんな対策をすべき?」

このような疑問にお答えする記事になっています。
ぜひ一度、固定はしごの安全対策について見直し、不慮の事故を回避していただければと思います。

固定はしご(タラップ)の全景

当サイトのコラムでは、できるだけ専門用語を省いてわかりやすく解説することを心がけております。
ぜひ参考にしていただければと思います。

固定はしご(タラップ)とは?安全対策がないと危険です

ひとくちに”はしご”と言ってもいろいろな種類のはしごがあります。
その中でも大きく分けると「固定はしご」と「移動はしご」の2種類が挙げられます。

固定はしご
固定はしごの例
移動はしご
移動はしごの例(真ん中)

移動はしごとは、もち運びができるようなはしごを意味します。
一方で固定はしごは、建物や鉄塔、倉庫、えんとつ、風力発電所(風車)などといったものに固定をされて、動かないはしごのことをさし、ものによってタラップや屋上タラップ・モンキータラップ(猿梯子)などとも呼ばれます。

移動はしごの場合、はしご自体が転倒するなどの危険性があることが予想されます。

移動はしごに比べ、はしご自体が固定され足場が比較的安定している固定はしごは安全かのように思われるかもしれません。しかし、高い場所での作業には常に危険が伴います。

今回は、はしご自体が転倒する危険性はほとんどない、固定はしごの危険事例や、講じることのできる安全対策についてお伝えしたいと思います!

固定はしご利用に潜む危険事例とは?大きな危険3パターン

転落しそうな人

それでは、固定はしごを利用する際に潜む危険事例について詳しくお伝えしていきます。
主な危険事例は、大きく分けて3パターンです。

  1. 手足を滑らせる
  2. 強風に煽られる
  3. 工具が引っかかるなどバランスを崩す

それぞれの危険事例について詳しくお伝えしていきます。

固定はしごに潜む危険事例①:手足を滑らせる

固定はしごはいくらはしご自体が固定されていて安定しているといえ、手足を滑らせてしまった場合は、墜落・転落の危険につながります。

固定はしごは屋外に設置されていることがほとんどなので、はしごが雨に濡れていたり、汚れが付着していることもよくあります。それらが原因となり手足が滑りやすくなって、墜落してしまうケースが多いようです。

また、昇降時には手袋を着用すべきですが、寒い日には手がかじかんでうまくはしごを握れなかったり、暑い日は汗が滲んでしまって滑ることも多いのです。

手足を滑らせることへの対策としては、耐滑性の高い靴や手袋を利用したり、はしご自体に滑り止めシールを貼るなどの対策が考えられます。

もちろん、悪天候の日には作業を行わないというのが一番の対応策ではありますが、”どうしても”というときに限って事故は起きてしまうものなのです。

固定はしごに潜む危険事例②:強風に煽られる

固定はしごは、高所へのアクセスに使うものです。風力発電所や鉄塔などでは高さ数十メートルになることもあります。
高度が上がれば地上よりも風が強くなるのはご承知の通り。
よって、作業中に強風に煽られてバランスを崩し、墜落してしまうケースも十分に想定できます。

はしごは固定されているとはいえ、昇降中に思わぬ強風に身体が耐えきれず、事故に繋がってしまうことは珍しくありません。

まずは、風の強い日には固定はしごを利用しての昇降は行わないことが第一です。

ただ、どうしても昇らなければならないケース等では、万が一バランスを崩し転落してしまっても命を守ることができる措置を、事前に講じておく必要があります。

固定はしごに潜む危険事例③:工具が引っかかるなどバランスを崩す

(本来はNGなのですが)作業に必要な荷物を持ちながら固定はしごを利用していたり、腰に付けた工具類が背かご等に引っかかったりした場合に、バランスを崩してしまうケースもあります。

現場に慣れているプロであっても、疲れていたりちょっと考え事をするなど、油断をしたすきにバランスは崩れがちです。身体のバランスを保つために、昇り降りをする際には荷物をなるべく手に持たないことを徹底する必要があります。

また、腰につけている工具類も必要以上に飛び出ることのないようしっかりと収納しておかないと、ひっかかって身体のバランスを崩すだけでなく、工具そのものが落下し、下にいる人に当たって怪我をさせてしまうなどの事故も引き起こしかねません。

はしごを利用する前に装備品の確認・安全対策を講じておくことで、事故を防ぐことが重要であると言えます。

固定はしごに有効な安全対策とは?

高所作業員 イラスト

固定はしごを利用する場合にも、危険事例が多いことを理解して頂いたと思います。
いくら注意を払っていても、最悪の事態に繋がってしまう可能性は消しきれません。

このような危険に備えるため、固定はしごを利用する場合にできる安全対策についてご紹介します。

具体的な安全対策は以下の4種類です。

  1. 背カゴ
  2. ワイヤーによる安全対策
  3. レールによる安全対策
  4. 番外編:安全ブロック(セーフティブロック)

それぞれの安全対策について、詳しくお伝えしていきます。

固定はしごの安全対策①:背カゴ

背カゴとは、はしごにカゴをつけたような囲い枠のことです。

背カゴがあるだけで、安心感はかなり変わります。

背かごのついた固定はしご

”安全上、背カゴをつけなくてはいけない”などの決まりは特にありませんが、大きな工場を持つ会社や管理団体では独自の決まりとして、背カゴを採用していることも多いです。

特に2メートル以上の固定はしごに背カゴがついていない場合、作業者には大きな恐怖心がうまれるものです。
一方、背カゴがついていると、万が一背中から後方に墜落しそうになった場合にもガードされ、危険を回避できる可能性が上がります。

ただし、前述の腰に付けた工具等の引っ掛かりはこの背かごによって生じますので、腰に工具類を付けて使用する際には背面にも注意する必要があります。

設置のための費用はかかりますが、安全のために背カゴはつけておくに越したことはありません。

安全性が飛躍的に上がるとはいえ、背カゴは確実に墜落・転落を防止していくれるわけではないので、必要な安全対策の選択肢のひとつとして考えるべきかと思います。

もちろん背かごは既設のはしご・タラップへの取り付けも可能です。

日本国内でもいろいろな会社さんが標準的な寸法のものはもちろん、オーダーメイド背かごなど様々なラインナップを販売しています。

後付けできるオーダーメイド製作の背かごを販売している会社をGoogle先生で調べてみました。

上位に出てきたのは下記の株式会社エクセル様です。

株式会社エクセル様(ステンレス製作.biz)
https://kana-mono.biz/case-example/ladder/

このほかインターネット上では、施工事例のブログなどはいくつか見つけることができましたが、後付けの背かご販売をネット掲載しているのは上記のサイトでした。

背かご付きの固定はしご・タラップを製作していると見受けられる会社さんは他にもたくさんありますので、背かごの設置をご検討の方は、設置検討場所の近隣地域にて調べてみるといいかもしれません。

固定はしごの安全対策② :ワイヤーによる安全対策

皆さんはワイヤータイプの転落・墜落防止対策をご存知でしょうか?

ワイヤーによる安全対策は、はしごの足掛け桟に対して垂直にワイヤーを取り付け、グライダーと呼ばれる可動式の金具とフルハーネスの胸部のD環とをつなぎ、墜落・転落を防ぐ安全対策装置です。

背カゴや後述するレールタイプと比べて設置費用が抑えられる上、墜落の危険を高く回避できる安全対策で、既設のはしごにも取り付けることが可能です。より確実に墜落事故から身を守ることができる手段と言えます。

ワイヤータイプを利用してはしごを昇降する人

ワイヤータイプの安全対策は、国内ですと片手に余るほどの会社でしか取り扱いがないようです。
おそらくもっともメジャーかつ大手なのは3M(スリーエム)ではないでしょうか。

>>3Mの「DBI-サラTM Lad-SafTM 垂直親綱シリーズ」のカタログはこちらからご覧いただけます

さすが大手さんだけあって、製品紹介動画なども非常にわかりやすいのでぜひご覧になってみてください!

>>3Mの「DBI-サラTM Lad-SafTM 垂直親綱シリーズ」の紹介ページはこちら

一方、弊社(株式会社G-Place)がシンガポールのアクロバット社から輸入販売を行っている 常設型転落防止システム「アクロバット」 も、同じくワイヤータイプで非常に安全性の高い高所安全対策設備です。

水平型・垂直型・懸垂型というラインナップがあり、さまざまな高所作業シーンにおいてご利用いただける高所安全対策をご提供しております。

固定はしご・タラップ昇降時の安全対策には、「垂直型ワイヤータイプ」というものが該当します。

アクロバットは日本ではまだ全然知られておりませんが、東南アジアを中心に700件以上の導入実績があり、シンガポールでは有名な「マリーナ・ベイ・サンズ」や「チャンギ国際空港「シンガポール国際展示場」など、多くの公共施設で採用されています。

弊社は日本国内において、アクロバットの国内総輸入販売元として活動しております。

アクロバット 垂直型ワイヤータイプの特徴

  • 低価格・短時間施工ですぐにはしご(タラップ)の高所安全対策が可能
  • 既設のはしご(タラップ)のサイズに合わせて後付けが可能
  • サビに強い材質で構成されており、設置場所を選ばない
  • 欧州EN規格 EN353-1およびCNB/P/11.073に適合し、CEマークを有する安全性
  • ショック・アブソーバーを内蔵し、万が一の時にも衝撃を吸収して作業者への負担を軽減
  • 独自設計のスライダーが作業者の昇降を妨げず、スムーズに追従
  • 設置後も安心の1年毎の定期点検(設置後3年間は無償。以後は有償)
アクロバット垂直型ワイヤータイプの部材構成

※「マンガでわかる!アクロバット垂直型ワイヤータイプってどんな商品?」(イプロス)より抜粋

アクロバット 垂直型ワイヤータイプの使用動画

設備資材事業グループのイケメン営業マンことリーダー竹内の実践動画です。
竹内好みのエフェクトがかかっている点についてはご容赦ください(笑)

アクロバットは作業者の命を守るための設備ですので、適切な取り付けをしないと、万が一の時に正常に動作しないなど不具合が生じ、その目的を果たすことができません。そのため、アクロバットの取り付け工事はしっかりと研修を行い専門知識を持った認定工事会社が行います。

設置後にも1年毎の定期点検を行い、部品の劣化やワイヤーの緩みなどがないかを確認します。

また、機器の説明・使い方の説明も設置同日に行ってから引き渡しをいたしますので、安心してご利用いただけます。

固定はしご(タラップ)昇降時の安全対策をご検討される際には、ぜひ一度ワイヤータイプをご検討されることをオススメいたします。

固定はしごの安全対策③:レールによる安全対策

主に海外で多いようなのですが、固定はしごの安全対策としてレールタイプが採用される場合もあります。

レールタイプとは上述のワイヤータイプのワイヤー部分がレールになったものです。

レールはワイヤーよりも強度がありますので、体重をかけての使用にも耐えられます。
万が一足を踏み外してしまっても落下距離を最小に抑え、衝撃や墜落から作業者の身体を守ります。

垂直型レールタイプ

レールタイプはコストがワイヤータイプと比べて比較的高い傾向にあります。

固定はしごはほとんどが昇降にのみ利用され、はしごで体重をかけてなにか作業を行うことは少ないので、固定はしごの安全対策としてはやりすぎ感が否めません。

もしレールタイプを検討をされる場合には、導入可能な会社を探すところから苦労しそうです。

弊社が取り扱う常設型転落防止システム「アクロバット」にもレールタイプのラインナップがございますが、残念ながら国内での引き合いは今のところまだありません。

固定はしごの安全対策④:番外編:安全ブロック(セーフティブロック)

また、番外編として安全ブロックを利用した安全対策もあるようです。

固定はしごの上部に安全ブロックを設置し、上から吊るすカタチで安全対策をとるようです。

出典:株式会社レント様HPより(https://www.rent.co.jp/sanki/01data/anzen_block.htm

上記のように安全ブロック(セーフティブロック)をフルハーネスのD環につけて使用するようです。

※安全ブロックによる墜落・転落防止については、株式会社レント様を含め、取り扱っている会社や機器メーカーの指導に従い、使用方法や安全性を十分にお確かめの上、ご利用いただくことをおすすめします。

⬇安全ブロックについて、こんな動画も見つけました。ご参考まで。

まとめ:固定はしごを安全に使うためにはワイヤータイプがオススメ

この記事では、固定はしごに関する危険事例や、それに対応するための安全対策について詳しくお伝えしてきました。

2022年1月より、フルハーネス型墜落静止用器具の着用義務化も始まりますので、フルハーネスを利用する安全対策に切り替えていくにはいいタイミングかと思います。

最後に今回の記事をまとめます。

▼固定はしごの危険事例

  • 手足を滑らせる
  • 強風に煽られる
  • 工具が引っかかるなどバランスを崩す

固定はしご自体が安定しているからとはいえ、人の体がバランスを崩してしまった場合には事故につながる可能性があることをお伝えしました。

▼固定はしごに対する安全対策

  1. 背カゴ
  2. ワイヤーによる安全対策
  3. レールによる安全対策
  4. 番外編:安全ブロック(セーフティブロック)

固定はしごに対して講じることのできる安全対策は、大きく4種類あることをお伝えしました。
結論としては、コストを抑えながら高い安全性で墜落・転落事故を防ぐことのできる「ワイヤーによる安全対策」がオススメです。

弊社では固定はしご・タラップに完全対応したワイヤー式の安全対策「アクロバット 垂直型ワイヤータイプ」の他にも、高所安全対策の王道である「水平型ワイヤータイプ」、高所荷役作業時に有効な「懸垂型ワイヤータイプ」をはじめ、キャットウォーク(歩廊)やハンドレール(手すり)など、総合的な高所安全対策をご提案しております。

高所作業時の事故を「ゼロ」に!をスローガンにこれからも活動を続けていきたいと思います。

お読みいただき、ありがとうございました!

不安な点やご不明点等ございましたら、お気軽にお声かけ下さい。