労働災害を防ぐために企業が実践すべき防止策について

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「職場の労働災害の防止策」を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

労働災害は従業員の健康を損なうだけでなく、企業にとっても民事・刑事上の責任や社会的信用の失墜を招きかねない大きな問題です。

厚生労働省の令和6年のデータによると、死亡者数こそ過去最少となりましたが、休業4日以上の死傷者数は135,718人と4年連続で増加しており、職場の安全対策が依然として重要な経営課題であることに変わりはありません。

本記事では、労働災害が発生する主な原因を挙げ、企業がやるべき具体的な防止策を解説します。

目次

労働災害が起こる原因

労働災害はなぜ起こるのでしょうか?

厚生労働省は労働災害の発生原因を大きく「不安全行動」と「不安全状態」の2つに分類しています。

不安全行動(人的要因)

不安全行動とは、労働者または関係者が安全でない方法で作業を行うことです。

具体的には、以下のような行動が挙げられます。

  • 安全装置を外したまま機械を操作する
  • 定められた保護具を着用しない
  • 慣れや油断から手順を省略するといった行動

こうした行動は、これまで行って問題がなかったという誤った認識が定着することで常態化しやすくなります。

不安全状態(環境・設備要因)

不安全状態とは、事故が起きやすい職場環境や設備の状態を指します。

具体例は以下です。

  • 通路への資材の放置
  • 安全カバーの破損放置
  • 照明不足による視認性の低下
  • 高温・粉塵などの作業環境の悪化

不安全状態は、日常的な点検や整備を怠ることで徐々に悪化していきます。

不安全行動と不安全状態どちらか一方の要因だけで事故が発生することもありますが、多くの場合双方が重なったときに重大な労働災害へと発展します。

事業者に課せられた法令上の義務について

事業者は、労働災害防止のために労働安全衛生法をはじめとする関連法令を遵守しなければなりません。

例えば、機械の危険部分への立入防止措置や、火災・爆発リスクのある物質を取り扱う際の換気措置を実施するなどです。

また、従業員に対して年に1回の定期健康診断を実施する義務があり、有害業務に従事させる場合は6カ月以内に1回の特殊健康診断も必要です。

従業員数が10人以上50人未満の事業場では、安全衛生推進者または衛生推進者を選任して安全衛生業務を担当させることも義務付けられています。

安全な職場を保つためには義務の履行を土台としながら、自主的な安全活動を積み上げていくことが重要です。

職場で実践できる労災防止策

ここからは企業が取り入れるべき労災防止策についてお伝えします。

ヒヤリ・ハット活動

ヒヤリ・ハット活動とは、実際の事故には至らなかったものの、「ひやり」としたり「はっと」した体験を職場全体で報告・共有する取り組みです。

1件の重大事故の背後には、約29件の軽微な事故があり、さらに300件のヒヤリ・ハット体験が潜んでいるとされることをハインリッヒの法則と言います。

つまり、ヒヤリ・ハット段階で潜在リスクに気づき対策を打てれば、重大事故の発生を大幅に減らせるのです。

ヒヤリ・ハット活動では報告しやすい職場の雰囲気を作ることが不可欠であり、報告した従業員を責めない文化の醸成が前提となるでしょう。

危険予知(KY)活動

危険予知活動とは、作業開始前にチームで現場の危険要因を話し合い、作業者一人ひとりの安全意識を高める取り組みです。

例えば「今日の作業での危険個所がどこにあり、防ぐためにどう行動するか」といったことを確認し、漫然と作業を始めることによるミスを防ぎます。

危険予知活動では形式的な声かけにならないよう、作業内容と結びついた危険要因の洗い出しを意識することが大切です。

リスクアセスメント

リスクアセスメントとは、作業に伴う危険性・有害性を事前に洗い出し、「災害の重篤度」と「発生の可能性」の掛け合わせでリスクを数値化し、優先順位をつけて対策を講じる手法です。

既に発生した事故への事後対応だけでなく、まだ起きていない潜在リスクへの先手を打てる点が特徴です。

技術的な対策(機械の改良・安全装置の設置)を優先し、それが難しい場合に教育や保護具の着用などの対策へと移行するという優先順位の考え方も重要になります。

まとめ

労働災害は、不安全行動と不安全状態という2つの要因が重なることで発生しやすくなります。

企業は法令上の義務を果たした上で、ヒヤリ・ハット活動・危険予知活動・リスクアセスメントといった自主的な安全活動を組み合わせることが、労災防止の実効性を高めます。

そしてこれらの取り組みを継続的に機能させる土台となるのが、定期的な安全教育です。

ただし安全教育は一度実施すれば完結するものではなく、職場の状況変化に合わせて内容を更新しながら続けていく必要があります。

まずは自社の職場でヒヤリ・ハットの報告制度を整備し、潜在リスクの可視化から着手してみてください。

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