高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「はしごと脚立」違いを解説していきますので、ぜひご参考にしていただければと思います。
はしごや脚立は、高所作業でよく用いられる作業道具です。
しかし両者の違いがよく分かっていなかったり、作業時にどちらを使うべきか迷うこともあるかもしれません。
この記事では、はしごと脚立の違いやメリット・デメリットを解説します。
また、踏み台や三脚などの類似する道具との違いや、安全に使用する方法も紹介しますのでぜひ参考にしてください。
はしごと脚立の違い
はしごと脚立は見た目が似ていますが、自立するかどうかが大きな違いです。
それぞれの特徴を比較して、違いを理解しましょう。
はしごとは
はしごは、2本の平行な長い材の間に直交する形で足掛かりとなる横材を取り付けた道具です。
はしごは自立するように設計されていないため、壁に立てかけて使用するのが一般的です。
はしごのメリット
- 脚立よりも長く、高い場所での作業に適している
- 折りたたみ式や伸縮式のはしごが多く、コンパクトに収納できる
はしごのデメリット
- 立てかける場所や吊るす場所がないと使用できない
- 壁に対して後方に転倒するリスクがある
脚立とは
脚立は、2本の長い材を内側に向けて上部に天板を設置し、足掛かりとなる横材を天板に対して平行に取り付けた道具です。
4本の足で自立する構造になっており、壁がなくても高所作業が可能です。
脚立のメリット
- 自立するため、足場が安定し転倒しにくい
- はしごとしても使用できる脚立もある
脚立のデメリット
- 天板に乗っての作業は安全上推奨されない
- サイズが大きいため、持ち運びや収納に苦労する場合がある
はしごや脚立に似ている台との違い
はしごや脚立と同様に高所作業に用いられる台には、他にもいくつかの種類があります。
ここでは、代表的な道具の特徴、メリット、デメリットをはしごや脚立との違いに着目して解説します。
踏み台との違い
踏み台は脚立と同様に安定した台ですが、一般的に高さが80cm未満と脚立よりも低いのが特徴です。
踏み台のメリット
- 天板に乗って作業できる
- 多機能なデザインの製品が多い
踏み台のデメリット
- 高さが80cm未満のため、高所作業には適さない
- 高さの割に設置スペースが広い
足場台との違い
足場台は脚立のように4本足で安定していますが、高さは踏み台と同程度と低めです。
踏み台と違い、広い天板を備えているため作業しやすいのが特徴です。
足場台のメリット
- 広い天板で作業範囲が広い
- 折りたたんで収納しやすい
足場台のデメリット
- 昇降面に対して左右方向は転倒しやすい
- 高さが低いため、高所作業には不向き
作業台との違い
作業台は、脚立や踏み台よりも安定性を重視して設計されています。
階段状になっているため、昇り降りしやすいのも特徴です。
作業台のメリット
- 安定しているため作業しやすい
- 高さ1.5mくらいまでの製品がある
作業台のデメリット
- 安定性重視のため、収納性が低い製品が多い
- 2mを超えるような高所作業には適さない
三脚との違い
三脚は、脚立の片方のはしごをポールに置き換え安定性を高めた道具です。
はしごをポールに固定して設置できるようにした製品とも言えます。
三脚のメリット
- 3点で安定するため、地面の傾きや凹凸に強い
- 2m以上の高所でも作業可能
三脚のデメリット
- 広い接地面が必要
- 収納スペースを要する
はしご・脚立の安全な使い方
はしごや脚立を安全に使用するには、選び方と使い方の両方に注意が必要です。
高所での作業に用いることを意識して、安全な使用方法を理解しておきましょう。
安全規格に適合している製品を選ぶ
はしごや脚立は、安全性を満たした規格に適合している製品を選ぶことが重要です。
JIS規格に従っている製品や、SGマークやAマークを取得しているはしごや脚立は、一定の安全基準を満たしているため信頼性があります。
安定した地面で取扱説明書に従って使用する
はしごや脚立は、平らで安定した地面で使用すること徹底し、取扱説明書を読み正しい使い方を理解しましょう。
はしごは2人で使うのが基本で、1人がはしごを支え、もう1人が昇って作業をします。
脚立は、組み立て時にロックを確実に行い、地面に接地して揺れがないことを確認してから使用します。
どちらも天板の上に乗ったり、身を乗り出して作業したりしないといった基本ルールを守ることが大切です。
転落防止の対策を講じる
はしごや脚立は高所での作業に用いられるため、転落事故が起きると大きな被害につながるリスクがあります。
2m以上の高所作業の際、作業床の設置、作業床の端および開口部等に囲い、手すり、覆い等を設けることが困難な場合にはフルハーネスの装着が義務付けられています。(6.75m以下の場合は胴ベルト型安全帯も認められる)
はしごや脚立での作業中の転落・墜落事故は頻繁に発生しています。
安全衛生規則を順守し、定期的にリスクアセスメントを実施して、転落事故防止に努めましょう。
参考:独立行政法人 製品評価技術基盤機構|はしご・脚立の事故防止対策報告書
参考:独立行政法人 労働安全衛生総合研究所|墜落災害防止のための移動はしごの使用方法等について
まとめ
はしごと脚立の主な違いは、自立するかどうかです。
作業場所に応じて使い分けて使うと、事故のリスクを下げられます。
作業中にはどちらも転落のリスクがあるため、安全に作業できる対策を講じて使用するよう心がけましょう。
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