高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「業務用エアコン室外機や排気ダクトの点検」に焦点を当ててみました。
業者さんはもちろんですが、設備の所有者さんにも知識として、ぜひ参考にしていただければと思います。
室外機や排気ダクトの点検は、エアコンの効きを向上させるだけでなく、正常に動作しているかどうかを確認するために必要なものです。
もし適切な維持管理ができていないと、思わぬトラブルにもつながりかねません。
しかし、この作業には危険を伴うこともあるため、適切な作業着装や安全装置、安全作業のガイドラインに従うことが重要です。
今回は室外機や排気ダクトの点検についてのポイントをお伝えしていきます。
室外機や排気ダクトの点検が必要な理由
室外機や排気ダクトの点検が必要な理由には、以下のようなものがあります。
室外機の点検
- 機器の性能の維持
- 機器の寿命を延ばすため
- 消費電力を減らし、エネルギー効率の向上
- フロン排出抑制法の観点から
室外機の点検は故障を早期に発見し、長期的にエアコンを使用する上で役立ちます。
また、フロン排出抑制法の観点からこれらの点検は所有者の義務でもあります。
排気ダクトの点検
- 安全性の確保
- 機器の寿命を延ばすため
- 機器の性能の維持
排気ダクトの点検は、機器の性能の維持や寿命を延ばすためにも必要ですが、最も重要なのは安全性の確保のためです。
もし排気ダクトが適切に維持されていないと、ダクト内部に油分が溜まっている状態になり、火事の際に延焼ルートになる恐れがあるからです。
室外機と排気ダクトの点検項目
室外機やダクトの簡易点検には、以下のような項目があります。
室外機の簡易点検
- 機器の異常振動・異常運転音がないか
- 機器及び機器周辺の油のにじみがないか
- 室外機に傷、熱交換器の腐食、錆びなどがないか
これらの簡易点検を行うことで、エアコンが正常に動作しているかどうかを確認することができます。
点検は目視で行ないますが、安全が確保できなかったり異常が認められる場合には専門業者へと依頼することが望ましいでしょう。
排気ダクトの簡易点検
- 天蓋に変形や油漏れがないか
- フィルターが目詰まりしてないか
- 防火ダンパーの変形、損傷、劣化がないか
- ダクト内面に油塵の固着がないか
- 排気ファンの運転音に異常がないか
排気ダクトの簡易点検は外観から行なうことができるところもありますが、内部など隠れた部分については点検が難しいところもあります。
外観や運転音の異常があれば、内部に問題がある可能性が高いので、そのような時は専門の技術者に依頼して行うことをお勧めします。
点検の頻度について
点検の頻度は使用状況や環境によって異なりますが、一般的には次のような頻度で点検を行うことが推奨されています。
定格出力によって頻度が違います。定格出力は室外機に貼られている「銘板(めいばん)」というシールに記載がありますので、ご自身で確認してください。
室外機
定期点検
50kW以上のエアコン 1年に1回以上
7.5kW以上50kW未満のエアコン 3年に1回以上
※必ず有資格者(第2種冷媒フロン類取扱技術者)が行う
簡易点検
季節ごとに1回(年4回)以上行う
※安全に実施できる場合は誰が行ってもOK
排気ダクト
定期点検
1年に1回以上
簡易点検
日常的に行う
上記はあくまでも目安ですので、実施頻度に関しては各メーカーや専門業者から提供される手引きやマニュアルに記載されていることを参考にしてください。
また、特殊な環境下で使用される場合や、特別な点検が必要な場合は点検の頻度を増やすことを検討しましょう。
室外機やダクトの点検の危険性
室外機や排気ダクトの点検には、作業における危険性があります。これには以下のようなものがあります。
- 高所作業による落下の危険性
- 電気配線や機器による電気ショックの危険性
- フロンによる中毒の危険性
- 機器の振動や音による聴覚や骨折の危険性
これらの危険性を回避するためには、適切な作業着装、安全装置、安全作業のガイドラインに従うことが重要です。
また、作業前に必ず安全データシートを読み、使用する冷媒についての知識を得ることも必要です。
特にフロンに関しては十分な知識と経験が必要であり、不適切な操作により有毒ガスによる中毒を引き起こす可能性があります。
冷媒関係の点検を行うには安全衛生教育の周知徹底が大切です。
設置場所が高所の場合には安全対策を!
高所についている室外機や排気ダクトの点検の際は、しっかりとした安全対策をとることが重要です。
高所作業には常に落下や転落の危険性がありますので、安全に作業するためには必ずフルハーネス型安全帯などの高所作業用の装置を使用することを忘れてはいけません。
また、室外機の設置場所までの移動に、タラップ(固定はしご)や軒先の移動などがある場合は、移動時の安全対策も必要となります。場合によっては足場を汲んだり作業用のリフトや作業台などが必要になることもあります。
これらの安全装置を正しく使用することで、作業者の安全を確保することができるのです。
【PR】固定はしご昇降時の安全対策はお済みですか?固定はしごに取り付けて作業者を追従する安全対策。アクロバット垂直型ワイヤータイプをご紹介!
まとめ
業務用エアコンの室外機や排気ダクトの点検は、機器のパフォーマンスを向上させるために必要な作業です。
しかし、この作業には高所作業やさまざまな危険性などがあるため、適切な安全対策をして安全作業のガイドラインに従うことが重要です。
特に高所作業を伴う場合には、足場を設置したりフルハーネス型安全帯を装着するなどの対策を取ることが求められます。
当社は高所作業における安全対策のスペシャリストです。室外機や排気ダクトの高所作業でのお困りごとなどがありましたらぜひ当社製品をご検討ください。
株式会社G-place 設備資材事業グループ
📞03-3527-2992
受付時間 9:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
■関連ニュース記事
2024/09/10 労働新聞社
適正業者登録制創設へ 安全管理の取組みを評価 墜転落災害防止で 仮設工業会
2024/08/09 労働新聞社
【トピックス】高所作業の墜落対策を確認 重点業種で好事例水平展開へ 労働局がパトロール 全国安全週間
2024/08/09 労働新聞社
足場業者に登録制度 労災減少めざし創設へ 仮設工業会
2024/06/21 RSK山陽放送
建設現場ではどんな安全対策を?労災事故が多くなるといわれる夏を前に岡山労働局が岡山市役所・新庁舎の建設現場を視察
2024/04/08 株式会社 流通研究社
厚労省、墜落制止用器具の規格不適合製品を公表
2024/01/29 日本経済新聞
西尾レント、転落防止フック未装着を検知 建設現場向け
2023/12/05 ハーバード・ビジネス・レビュー
労働者を危険から守りたければ、自社だけで安全対策してはいけない
2023/10/30 労働新聞社
脚立の墜落災害増加 過去10年間で最も多く 北海道労働局