足場特別教育とは?資格の詳細と受講するメリットなどをご紹介

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは高所作業の安全に関わる「足場特別教育」という資格について紹介していますので、ご参考にしていただければと思います。

高所作業を行う際には、何よりも作業員の安全が最優先事項です。

特に建設作業に多い足場を組んで行なう作業は、転落や墜落など事故のリスクが潜んでいます。このリスクを最小限に抑えるため、足場特別教育という講習が実施されています。

この記事では、足場作業の安全対策として重要な足場特別教育について解説します。

目次

足場特別教育とは

足場特別教育は、正式には「足場の組立て等作業従事者特別教育」といい、足場の組立て、解体、変更のための業務を安全に行うために必要な知識・技能を身につけるための特別教育です。

高所作業の安全管理を強化し、作業員自身の安全意識を高めることを目的としています。

足場特別教育は、平成27年に労働安全衛生規則が改訂され、足場作業を行う全ての人が受講しなければなりません。

また、足場特別教育の他に「足場の組立て等作業主任者技能講習」という主任者教育もあります。

足場特別教育を受講しただけでは監督業務はできないので、現場に指示を出すといった業務を行なう場合には足場の組立て等作業主任者技能講習を受講しなけばなりません。

2つの講習の違い

足場の組立て等作業従事者特別教育

作業者が足場作業を安全に行うために受講する

足場の組立て等作業主任者技能講習

足場作業での指揮監督を行えるようになるために受講する

足場特別教育の資格取得の流れ

足場特別教育は18歳以上であれば誰でも受講できます。ここでは資格取得までの流れを紹介します。

申し込み

足場特別教育は、以下のようにさまざまな団体が講習を開催しています。

どこで受講しても最終的に取得する資格は変わりませんが、受講費用や出張での講習、Web講座での受講などの違いがあります。

またWeb講座であれば自宅にいながら受講することができますが、その場合には例外的に修了証を受け取るために最終試験を受けなければなりません。

受講料

講習を受けるためにかかる費用は受講先によって違いがありますが、テキスト代を含めて1万円前後です。

短縮講習と一般講習

足場特別教育の資格を取得するためには、実技や筆記試験などはなく講習を受けるだけです。

ただ、経験者と未経験者によって違いがあり、経験者は講習時間が短縮されます。

講習内容講習時間(一般)講習時間(短縮)
足場および作業の方法に関する知識3時間1時間30分
工事用設備・機械・器具・作業環境などに関する知識30分15分
労働災害の防止に関する知識1時間30分45分
関連法令1時間30分

一般講習が4つの科目で6時間、短縮講習が半分の3時間となります。

足場特別教育受講のメリット

足場特別教育は足場作業をする上で必須資格ではありますが、受講することのメリットについても考えてみましょう。

安全性の向上

足場特別教育を受講することによって、足場作業の安全性が向上します。

講習内容には足場作業に関する基礎知識や、労働災害を防止するための知識が含まれるため、受講することにより危険を認識し、事故を未然に防ぐための安全意識が身に付きます。

キャリアアップにつながる

足場特別教育を受講することによって、足場作業に携われます。

またその後、「足場の組立て等作業主任者技能講習」を受講することで、監督作業ができるようになるため自身のキャリアアップにつながります。

足場作業における事故の事例

実際の足場作業の事故事例を知ることで、足場特別教育の必要性が改めて浮き彫りになります。

以下は、足場作業中の事故の一例です。

事例の概要

引用:建設業労働災害防止協会

  • 場所:水力発電所・ダム建設現場
  • 時間:令和2年10月
  • 事故の状況:足場組立作業時に5段目の建枠設置の際にバランスを崩して墜落

事故の原因分析

作業者が足場の組立て作業中にバランスを崩して墜落してしまったという事故です。

この事故の主な原因は、作業計画・作業手順が徹底されなかったことと、安全帯を着用していたが使用していなかったことです。

教訓と対策

この事例から学ぶべき教訓は、足場作業における安全確認の徹底と、適切な安全装備の使用の重要性です。

足場特別教育では、作業前の安全確認、足場の安定性のチェック、そして安全装置の正しい使用方法など、このような事故を防ぐために必要な知識を身に付けます。

安全に対する意識を持ちつつ受講することで、高所作業の際に自分自身だけでなく周囲の同僚の安全も守れる、安全な作業環境を実現できます。

まとめ

足場特別教育は、事業者が作業主任者のもとで足場作業を行なう人に対し、必ず受講させなければならない安全教育になります。

作業者は講習を受けるだけで資格が取得できますが、高所作業の危険性を理解し、意識を高く持って受講することが重要です。

また、足場作業などの高所での作業には安全対策のための設備や装備も大切です。

当社は高所作業における安全対策のスペシャリストです。高所安全対策でのお困りごとなどがございましたらぜひお気軽にご連絡ください。

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