強風時は高所作業ができない!風速が高いときの安全対策の注意点を解説

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「風速と高所作業の関係」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

外で高所作業を行う際、天候は作業の安全面に大きな影響を与えます。

作業者の安全を確保するため、高所作業にはさまざまな規制が設けられていますが、特に風速が高いときは注意が必要です。

強風時には万全の対策を講じ、安全を確保することが重要ですが、風速の高さによっては高所作業が行えないこともあります。

この記事では、高所作業の安全と風速の関係について解説します。

目次

高所作業は強風時に作業中止等が必要

高所作業の安全は労働安全衛生法、労働安全衛生規則、クレーン等安全規則などの法令・規則により厳しく制限されています。

高所作業を止めることが目的ではなく、作業者の安全を守ることが目的です。

法令では、高所作業は強風が吹いているときには作業中止等の対応が必要とされています。

法令による強風の風速の定義

労働安全衛生法では、悪天候時の作業について定められており、強風下での高所作業は中止等の対応が必要です。

法令における強風とは「10分間の平均風速が毎秒10m以上」の風を指します。

気象庁によると、風速が毎秒10m~15mの場合、以下のような状況になります

  • 風に向かって歩きにくい
  • 傘をさすのが難しい
  • 樹木が幹から揺れる
  • 高速運転中の車が横揺れする

ちなみに瞬間風速が毎秒30mを超える風は暴風として定義されています。

風速が強いときに制限される高所作業の例

強風とされる風速の場合、多くの高所作業が制限されます。

例えば以下のような作業です。

  • 高さが2m以上の場所での作業
  • 作業構台の組立て、解体、変更の作業
  • つり足場、張出し足場、または高さが2m以上の構造の足場の組立て、解体、変更の作業
  • 高さ5m以上のコンクリート構造物の解体や破壊作業
  • 建設工事でのジャッキ式つり上げ機械を用いた荷のつり上げ、つり下げ作業

また、クレーンやゴンドラに関する作業も、強風時には中止が求められます。

  • クレーンの作業、組立て、解体
  • デリックの作業、組立て、解体
  • 建設用リフトの組立て、解体
  • ゴンドラを使用する作業

強風時には、作業者の安全を最優先に考え、法令に従って対応することが重要です。

工事の遅延が発生する可能性があっても、作業者の安全に勝るものはありません。

強風が予想される場合も対応が必要

労働安全衛生管理では、あらかじめ強風が予想される場合も対応が必要です。

気象注意報で風速10m以上の強風が予想される場合、高所作業を中止する必要があります。

例外的に、悪天候時でも点検や補修などの限られた作業は認められていますが、基本的には強風が予想される場合、高所作業はほとんど行えないと考えましょう。

風速が高いと予想されるときの高所作業の対策

たとえ強風と見なされなくても対策が必要です。

強風時には高所作業は行えませんが、風速が低かったとしても安全上のリスクが常にあります。

強風まではいかないけれど、ある程度風速が高いことが予想される場合の高所作業の対策方法を確認しておきましょう。

他の気象状況も考慮した対策をとる

風速が高いときには、雨が強まったり吹雪が予想される場合もあります。

他の気象条件も総合的に判断し、高所作業のリスクが高いときには中止することが重要です。

労働安全衛生法では、1回の降雨量が50mm以上の大雨や、1回の降雪量が25cm以上の大雪時にも高所作業の中止等を求めています。

これらの基準を満たさなくても、風が強く雨も強い状況では高所作業のリスクが増すため、中止を検討しましょう。

風速の変化に柔軟な対策をとる

天候は急変することがありますが、風の強さも一定ではありません。

風速が10mを少し下回っていたとしても、急に風が強くなって姿勢を崩し転落するリスクもあるでしょう。

何よりも大切なのは事故を起こさないことなので、少しでも風速が強まったと感じられれば作業を中断するという柔軟な対応を取るようにしましょう。

もちろん、不測の事態に備えて墜落制止用器具や保護帽の着用などの安全対策を取り、万全の状態で作業を行うことも重要です。

まとめ

高所作業は、風速が10m以上の強風下では中止しなければなりません。

また、強風が予想される場合にも作業を中止し、作業者の安全を最優先とすることが重要です。

さらに、悪天候時には風速が労働安全衛生規則の基準に達していなくても、危険な状況が発生する可能性があります。

天候の急変や雨や雪の影響も考慮し、安全を最優先にした対策を講じましょう。

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