ゴンドラ取扱い業務特別教育とは?受講方法やゴンドラ作業のリスクを解説

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「ゴンドラ取扱い業務特別教育」に視点を向けて、安全対策を考えてみたいと思います。
ぜひご参考にしていただければと思います。

高所作業においてゴンドラを使用する場合、特別教育の受講が義務付けられています。

ゴンドラ取扱い業務特別教育は、事故を防ぐために必要な知識を習得するための教育制度です。

本記事では、受講の必要性や講習の内容などについて詳しく解説します。

目次

ゴンドラ取扱い業務特別教育とは?

ゴンドラ取扱い業務特別教育は、高所作業で用いる「ゴンドラ」の安全な操作を学ぶための講習です。

ゴンドラとは

つり足場と昇降装置その他の装置、それに附属する物で構成され、作業床が専用の昇降装置で上昇・下降する設備のこと。

労働安全衛生法に基づき、ゴンドラを操作する作業に従事する場合、受講が義務付けられています。

ゴンドラ取扱い業務特別教育の内容

ゴンドラ取扱い業務特別教育は、学科と実技に分かれています。

学科講習

学科講習ではゴンドラの構造や種類、作業時の安全対策、労働安全衛生法の基礎知識を学びます。

内容時間
ゴンドラに関する知識2時間
ゴンドラの操作に必要な電気に関する知識2時間
関係法令1時間

実技講習

実技講習では、ゴンドラの基本操作や安全帯や保護具の正しい使い方を実践し、緊急時の対応方法や作業環境に応じた安全管理について学びます。

内容時間
ゴンドラの操作および点検3時間
ゴンドラの操作のための合図1時間

講習の受講と実技の実施が修了すれば修了証が発行され、業務に従事できるようになります。

受講可能な機関

ゴンドラ取扱い業務特別教育は、以下の機関で受講可能です。

  • 全国の安全衛生教育センター
  • 労働局が認定する団体
  • 各事業所(企業等)
  • 都道府県労働局長登録教習機関

学科講習はオンラインで受講し、実技講習は自社で行うことも可能です。

費用の概要

受講費用は、受講する機関によって異なります。

一般的な相場は1万円前後です。

ゴンドラを使用した主な作業

ゴンドラは、高所での作業を安全かつ効率的に行うために使用されています。

主な作業内容は以下のとおりです。

建物外壁の清掃・窓拭き

高層ビルやマンションの外壁清掃や窓拭き作業では、ゴンドラが頻繁に使用されます。

ロープを用いたブランコ作業による清掃も行われていますが、ゴンドラを使用することで作業員の負担を軽減し、安全性を高めながら効率的に作業を行えます。

外装の点検・修理

高層ビルや大規模な建物では、足場を組むよりもゴンドラを使用した方が効率的です。

建物の外装部分の劣化や損傷の点検作業にゴンドラが活用されています。

作業員がゴンドラに乗って、ひび割れやタイルの剥離などの目視検査や打診検査を行います。

発見された問題に応じて、タイルの補修やコーキングの打ち直し、防水処理などの修繕作業も可能です。

電気設備の設置・修理

ビルや高層建築の外部には、照明や広告用の電飾設備などが設置されています。

こうした設備の取り付けや、修理の際にもゴンドラが使用されます。

また、避雷針や配線の点検・交換作業を行う場合などもゴンドラが役立ちます。

ゴンドラ作業におけるリスク

ゴンドラを使用していても、高所作業であることに変わりはなく危険を伴います。

ここではゴンドラ作業における事故事例について見ていきましょう。

ゴンドラ作業の事故事例

ゴンドラ作業で発生しうる事故には、以下のようなものがあります。

墜落・転落

作業員がバランスを崩し、ゴンドラから転落する事故です。

また、工具や作業資材の落下による二次的な事故も発生する可能性があります。

主な原因
  • 安全帯の未装着または不適切な使用
  • 強風による揺れや作業員の体勢の乱れ
  • 工具や資材の落下防止対策が不十分

死亡事故や落下物による通行人・建物への被害が考えられます。

ゴンドラの落下

ゴンドラを支えるワイヤーロープや固定部に問題が生じ、ゴンドラそのものが落下する事故です。

主な原因
  • 吊り下げワイヤーロープの摩耗・劣化・破断
  • 作業中の誤操作
  • 設置不良

作業員が重傷・死亡するリスクが高く、建物や周囲の設備にも深刻な損害を与える可能性があります。

挟まれ事故

ゴンドラの可動テーブルや支柱部分に作業員が挟まれる事故です。

特に狭い場所や、複数の設備が並んでいる箇所での作業時に発生しやすくなります。

主な原因
  • ゴンドラの操作ミス
  • ゴンドラの動作確認不足
  • 複数人作業時の連携ミス

作業員の体が挟まれることで、骨折や内臓損傷などの重大な事故につながる可能性があります。

まとめ

ゴンドラ取扱い業務特別教育は、ゴンドラを使用する高所作業において不可欠な資格です。

事業者が作業員の安全を確保するために、適切な教育を受けさせることに加え、作業環境の管理徹底が求められています。

ゴンドラを使用した作業に従事させる際は、必ずゴンドラ取扱い業務特別教育を受講させ、安全な作業を実施しましょう。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次