高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「保護帽とヘルメットの違い」についてお伝えしていきます。安全対策を考える際に参考にしていただければと思います。
頭部の保護は、災害時に致命傷を避けるためにとても重要な安全対策です。
まず私たちが思い浮かぶのがヘルメットだと思います。
作業現場ではよく保護帽とも呼ばれていますが、保護帽とヘルメットの違いはご存知でしょうか?
この記事では、ヘルメットと保護帽の違いや注意点を解説します。
保護帽とヘルメットとの違い
保護帽とヘルメットは、どちらも頭部を保護する目的で使用されるものです。
広義ではすべてをヘルメットと呼べますが、保護帽は労働安全衛生法に定められた規格を満たすものを指します。
保護帽は、高所作業などのリスクが伴う環境で、作業者の頭部を保護するための設計が施されています。
これに対してヘルメットという言葉は、一般的に自転車やスポーツなどレジャー時に使用される頭部保護具を指すことが多いです。
つまり、保護帽とヘルメットは基本的に同じ機能を持ちますが、用途や規格に応じた設計が異なるということです。
もちろん保護帽としての機能性を備えているものをヘルメットと呼ぶことに何ら問題はありません。
保護帽の特徴
保護帽は、産業用ヘルメットとも呼ばれます。
保護帽は主に工事現場、製造業、建築業など危険が伴う環境で使用され、頭部を落下物や衝撃から守るために法律によって着用が義務付けられています。
「労・検」ラベルが付けられていることで、安全基準に適合していると証明されています。
労働安全衛生法型式検定の略
保護帽の構造
保護帽は一般的に帽体と装着帯によって構成され、墜落用保護帽には衝撃吸収ライナーが含まれています。
保護帽の構造と、各部分の役割を以下の表にまとめました。
名称 | 役割 |
---|---|
帽体 | 頭部を覆う硬い外装 外部からの衝撃を直接受け止める |
装着帯 | 保護帽を頭部に保持するための部分 フィット感を良くする |
衝撃吸収ライナー (墜落用保護帽) | 帽体の内側に覆われた部分 衝撃を吸収する |
あごひも | 保護帽が外れないようにする |
保護帽の材質と特性
保護帽には材質によって以下のような特性があります。
材質 | 特徴 |
---|---|
FRP製 (熱硬化性樹脂) | 耐燃性、耐熱性に優れているが耐電性はない。 主に屋外や高温・低温環境で使用。 |
ABS製 (耐衝撃性樹脂) | 耐電性に優れているが耐熱性が弱い。 電気作業に使用。 |
PC製 (ポリカーボネート) | 耐候性、耐電性に優れているが溶剤・薬品に弱い。 電気作業・屋外作業に使用。 |
PE製 (ポリエチレン) | 耐電性と耐候性に優れている。 有機溶剤系薬品を扱う作業に使用。 |
保護帽の耐用年数と交換目安
保護帽は定期的に交換を行うことで、作業中の安全が保たれます。
各材質による交換の目安は以下のようになります。
材質 | 交換目安 |
---|---|
FRP製 (熱硬化性樹脂) | 5年 |
ABS製 (耐衝撃性樹脂) | 3年 |
PC製 (ポリカーボネート) | 3年 |
PE製 (ポリエチレン) | 3年 |
保護帽の仕様区分
保護帽には仕様区分あるため、作業内容に合致したものを選ぶ必要があります。
ここでは保護帽の仕様区分を見ていきましょう。
飛来・落下物用
飛来・落下物用の保護帽は、作業中に頭上から物が落ちてくる危険性がある環境で使用されます。
衝撃を吸収し、頭部への打撃を最小限に抑える設計がされています。
墜落時保護用
墜落時保護用の保護帽は、高所で作業を行う際に使用されます。
墜落やぶつかりによる衝撃から頭部を守るため、衝撃吸収ライナーが備わっています。
電気用
電気用保護帽は、感電の危険性があるときに使用されます。
通電を防ぐために通気孔が開いておらず、作業者の頭部を電気の流れから守ります。
保護帽着用時の注意点
保護帽を着用する上で注意点があります。
安全性を担保するためにも、以下のことを必ず守りましょう。
正しく装着すること
保護帽は、頭全体を覆うように正しく装着する必要があります。
サイズは合っているか、アゴ紐がしっかりと締まっているか、保護帽がぐらつかないか確認しましょう。
フィットしていない保護帽は、転落や墜落時に外れてしまう危険性があります。
用途に合った保護帽を選ぶ
保護帽は区分が決められており、それぞれの状況で最大限の効果を発揮するように設計されています。
作業内容に合った保護帽を選ぶようにしましょう。
古い保護帽を使い続けない
保護帽は時間と共に材質が劣化したり、微細な損傷が生じている可能性があります。
特に大きな衝撃を受けた後は、たとえ外見上問題がなくても新しい保護帽への交換が必要です。
交換の目安も参考にして、古くなれば適宜新しいものと交換しましょう。
まとめ
保護帽とヘルメットの違いについてご紹介しました。
ヘルメットという大きなくくりの中で、労働安全衛生法に定められた規格に適合したものを保護帽と呼ぶということがお分かりになったと思います。
保護帽は、作業によって適切なものを使い分けることで安全性が保たれます。
弊社は高所作業における安全対策のスペシャリストです。高所安全対策でのお困りごとなどがございましたらぜひお気軽にご連絡ください。
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