安全対策においてヒューマンエラーをどう捉えるか?

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し安全対策のご提案をしています。
この記事では「ヒューマンエラー」の捉え方についてまとめてみました!
ぜひご参考にしていただければと思います。

労働環境の安全対策を考える上で大きく考慮する必要のある要素とは、労働環境に直接関わる部分と、人的なミスである「ヒューマンエラー」と呼ばれるものです。

労働における安全対策として、ヒューマンエラーは切っても切り離せないものであり、感情のある人間だからこそ発生するものです。特に、長時間労働などが問題になりやすい建設業、運輸業、製造業などでは、集中力の欠如などによるヒューマンエラーからの労働事故が発生しやすいとされています。

では、雇用者や使用者はこのヒューマンエラーという問題をどういう視点で捉えるべきなのでしょうか?

ヒューマンエラーは”起こり得るもの”として備える

人的なミスという言葉だけをピックアップすると、作業者の能力次第のように聞こえたり、責任の多くが作業従事者にあるようにも感じます。

しかし、ヒューマンエラーの起こりやすい状態とは労働環境を作り出す雇用側が用意しているということも忘れてはならないポイントです。

特に、建設現場において、安全対策は難しいものというのが通年に渡る常識です。

業務や作業内容の専門性は当然ながら、作業者の雇用期間や同じ場所で別の作業をする業者間の連携など、様々な問題が取り上げられています。

こういった諸問題を踏まえて、「安全対策」に取り組むということは、人的なミスであるヒューマンエラーも最初から在るものとして考える必要があると言われています。

労働内容の条件が変わりやすく、一定の基準の共有時間を作りにくいような環境では、ヒューマンエラーそのものを解決する、というよりも「ヒューマンエラーを取り込んだ上での安全対策」が有効なのです。

ヒューマンエラーに分類される人的ミスの原因12種類

独立行政法人労働安全衛生総合研究所の高木元也氏が分類した12種類の人的なミスは以下のように分類されています。

単調なミスや失敗という言葉だけではなく、「何故ヒューマンエラーが起こったか」の原因を知ることで安全対策はさらに具体的に考えやすくなります。

① 無知、未経験、不慣れ

初心者や初めて作業に取り組む場合に、業務において「危険」を判断するためのポイントが分かりにくい状態の場合を指します。

② 危険軽視、慣れ

普段から慣れている作業であったり、危ないという意識が薄くなっている状態を指します。

③ 不注意

1つの作業に集中しすぎて、他への注意が散漫になる、もしくは作業内容が変わることで作業への注意が足りていない状態を指します。

④ 連絡不足

安全に対する指示系統が機能していない状態を指します。正しく伝わっていない、説明が足りていないなども連絡不足に当てはまります。

⑤ 集団欠陥

集団欠落とは現場全体での雰囲気が注意や危険よりも工期や効率を重視している状態を指します。

⑥ 近道・省略行動本能

面倒な作業や手順の多い作業などを省略しようとして危険に直面する状態を指します。

⑦ 場面行動本能

何かしらの原因によって、その瞬間だけ注意が集中しすぎた結果、集中していなかった部分で安全が損なわれてしまうという状態を指します。

⑧ パニック

危険を予期していながら、普段とは違う想定外の動作などによってパニックになる状態を指します。

⑨ 錯覚

見間違いや聞き間違い、勘違いや思い込み全般を指します。

⑩ 中高年の機能低下

年齢による体力などの低下によって引き起こされる危険を指します。

⑪ 疲労等

長時間労働などによって集中力が持続出来ない状態を指します。

⑫ 単調作業等による意識低下

同じような単純作業を長時間繰り返している間に注意力が散漫になる状態を指します。

参考:中小建設業特別教育協会(アクセス日:2022/06/24)

ヒューマンエラーに対する安全対策の方法

前述の通り、ヒューマンエラーを単純なミスと考えず、その原因を掘り下げると様々な根本的問題があるとされているわけですが、これらを考慮して安全対策を強化する場合には、

ヒューマンエラーが起こっても安全が確保される対策とヒューマンエラーが起こらないための安全対策の2つがメインの候補となり得ます。

後者のヒューマンエラーが起こらない対策とは、

  • 安全衛生教育などによる学習
  • 作業員の適切な休憩・休暇の確保
  • 危険作業・箇所の理解・共有
  • 指示系統の整理・強化

などなど、作業従事者の能力から、現場管理という視点まで幅広く考えなければなりません。どちらかと言えば、ソフト寄りの発想であり、中長期的に改善していくことが必要でもあります。

前者の「ヒューマンエラーが起こっても安全が確保される対策」とは、安全対策器具や機器によるハード面の整備がメインとなります。

どちらも安全対策には必要な要素ですが、前者は主体性が企業や使用者であるのに対して、後者は作業員や作業従事者に主体性があることもポイントです。

ベテランの登山家でも命綱を付けて山を登るように、予期していても起こり得るリスクに対しては、「装備」と「設備」によって事前に対策をしていくことが労働災害防止に繋がります。

ヘルメット着用義務などはもちろん、墜落制止用機器と名称が変更された一定要件を満たす場合のフルハーネス着用義務化なども、前者の「ヒューマンエラーが起こっても安全が確保される」という環境作りへの取り組みだと言えます。

まとめ:労働災害を軽視しない

「少しくらいなら現場で対応出来るだろう」

「うちはベテランの作業員ばかりだから大丈夫」

会社や現場の規模は違っても一定要件の元にあれば、作業に伴うリスクは必ず生まれます。

労働災害は交通事故のように身近なものであり、1つの作業の中にいくつものリスクが含まれていることを軽視してしまうことこそ、管理者による最大のヒューマンエラーだと言えるのではないでしょうか?

この機会に今一度、「教育」「装備」「設備」の3点を中心にして、安全対策はしっかりと成立しているかどうか、安全対策への配慮がしっかりと行き届いているかどうかを振り返ってみて頂ければ幸いです。

その一歩が労働災害防止に繋がるのですから。

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