高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「航空機のメンテナンスの安全対策」について、まとめてみました。
ぜひご参考にしていただければと思います。
航空機のメンテナンスは安全を守るために欠かせません。航空機の故障は多くの人命にかかわる大きな事故につながるリスクがあるからです。
安全なメンテナンスをするための基本を知るのはとても重要なことです。
この記事では航空機のメンテナンスの内容や種類と、作業者の安全を守るための方法を解説します。
航空機のメンテナンスの種類
航空機のメンテナンスは大きく分けると3種類あります。
航空会社では安全確保のために整備規程を定めて国土交通省による審査を受けなければならないため、国による定めに従ってメンテナンスをすることが不可欠です。
まずは3種類のメンテナンスについて概要を紹介します。
日常整備
日常点検とは航空機の機体について、普段から実施する安全確認のための最低限の整備です。
外観で不備が目視確認されるか、計器に異常がないか、燃料は正しいかといった点を確認します。
フライト毎に点検をして、必要な部分は整備をするのが一般的です。
定時整備
定時整備は飛行時間や飛行日数によって実施する航空機のメンテナンスです。
A整備・B整備・C整備・D整備の4種類があり、点検項目と整備項目はそれぞれ異なります。
A整備ではエンジンオイルやタイヤ、ブレーキなどの消耗しやすい部分の検査が中心です。
B整備ではエンジン周りの検査をして不具合を調整します。
A整備とB整備はフライトの合間に実施されますが、C整備とD整備は数日~数週間かけて実施する大掛かりな整備です。
C整備では電気系統や機体構造の検査、D整備ではシステム全般の試験や塗装作業などが含まれています。
工場整備
工場整備は日常整備や定時整備によって故障や不具合が確認され、格納庫では整備が困難なときに工場で実施される整備です。
分解してオーバーホールをする場合と、不具合の原因がわからない場合に徹底した分析をする信頼性整備の2種類があります。
エンジン交換や航空機全体の改修・改造を伴い、数週間はかかる整備方法です。
航空機検査制度の対策にメンテナンスは必須
航空機のメンテナンスは機体の品質管理をして安全性を保つだけでなく、航空機を使用できるようにするためにも必須です。
日本では航空機検査制度を設けているからです。
航空機検査制度に基づく地上検査と飛行検査に合格しなければ耐空証明が得られないため、航空機は使用できなくなってしまいます。
航空機検査制度では既存の航空機については毎年、更新耐空証明検査を受けて合格することが必要です。
ただ、実際には更新耐空証明検査で不具合が発生した事例がたくさんあります。
例えば、国土交通省によると、平成30年1月~3月に実施された検査では261機中41機で不具合が発生していました。
発覚したタイミングは社内地上試験が12件、社内飛行試験が22件、航空機検査官による地上試験で3件、飛行試験で6件です。
原因として不適切な整備がよく挙げられています。
同報告によると不適切な整備による事故やヒヤリハットの事例として以下のようなケースがあります。
- 整備マニュアルに従わない不適切なメンテナンス
- 製造者が指定していないバッテリーの装備
- 不具合発生時の整備措置の未決定・未実施
航空機のメンテナンスをマニュアル化して実行できる状況を作るのは安全性を確保するためには欠かせません。
整備規程を作成するだけでなく、現場での具体的な作業内容をマニュアル化することが大切です。
参考:https://www.mlit.go.jp/common/001236031.pdf
航空機のメンテナンスを安全に実施するために
繰り返しになりますが、航空機のメンテナンスは安全を守るためには欠かせません。
ただ、マニュアルにまとめた作業が適切で航空機の安全性が確保されたとしても、メンテナンスをする作業員が正しく作業をしなければ意味がありません。
マニュアルに従って作業をするように教育を徹底することがまず重要でしょう。
さらに、メンテナンス作業員が安全に作業できるように安全装備・安全設備を整えるのが大切です。
航空機のメンテナンスでは高所作業を伴うため、安全ヘルメットや足場、場合によってはフルハーネス型の安全帯を用意する必要があります。高所で点検や整備をするときに転落等の不安があっては、メンテナンスそのものの質も不十分となり得るだけでなく、万が一の事故が起こるリスクもあるためです。
安全を守るためのメンテナンスにおいて、作業員の安全が守られていないのでは本末転倒です。
メンテナンスを担当する従業員が安心して働けるように装備と環境を整備し、確実にマニュアルを踏襲できるようにしましょう。
弊社がご提案している常設型転落防止システム「アクロバット」の【懸垂型ワイヤータイプ】は倉庫や工場内での機体上での作業時などに、安全対策を講じることが可能です。
国内の空港にも導入実績がございますので、ぜひご検討ください。
まとめ
航空機のメンテナンスは人命にかかわる重要な点検・整備です。
日常整備から始まり、定時整備をしていつも安全に運航できるようにすることが大切です。
整備規程に基づいてマニュアルを整えるのは必須ですが、現場で規程を守るようにする努力も欠かせません。
危険を伴う点検・整備の作業をするメンテナンス作業員のために安全な装備と環境を整えて、確実に航空機のメンテナンスをおこなえるようにしましょう。
株式会社G-place 設備資材事業グループ
📞03-3527-2992
受付時間 9:00-17:00 [ 土・日・祝日除く ]
■関連ニュース記事
2024/09/10 労働新聞社
適正業者登録制創設へ 安全管理の取組みを評価 墜転落災害防止で 仮設工業会
2024/08/09 労働新聞社
【トピックス】高所作業の墜落対策を確認 重点業種で好事例水平展開へ 労働局がパトロール 全国安全週間
2024/08/09 労働新聞社
足場業者に登録制度 労災減少めざし創設へ 仮設工業会
2024/06/21 RSK山陽放送
建設現場ではどんな安全対策を?労災事故が多くなるといわれる夏を前に岡山労働局が岡山市役所・新庁舎の建設現場を視察
2024/04/08 株式会社 流通研究社
厚労省、墜落制止用器具の規格不適合製品を公表
2024/01/29 日本経済新聞
西尾レント、転落防止フック未装着を検知 建設現場向け
2023/12/05 ハーバード・ビジネス・レビュー
労働者を危険から守りたければ、自社だけで安全対策してはいけない
2023/10/30 労働新聞社
脚立の墜落災害増加 過去10年間で最も多く 北海道労働局