ロープアクセスとは?ロープ高所作業としてのメリット・デメリットを紹介!

ひらの

高所作業時の事故を「ゼロ」に!
株式会社G-Place 設備資材事業グループの平野です。
弊社では現場での高所事故を防ぐべく、年間のべ50件以上の現場にお邪魔し高所安全対策のご提案をしています。
このコラムでは「ロープアクセス」についてご紹介します!
安全対策・安全衛生の知識のひとつとして、ぜひご参考にしていただければと思います。

ロープアクセスとは高所作業をする際に世界的によく用いられている技術です。

昨今、高所作業の工法としてニーズが高まっているため、ロープアクセスの専門業者なども登場してきました。

ロープアクセスとはどのような特徴がある技術なのかご存知でしょうか。

この記事ではロープアクセスの概要とメリット・デメリットを紹介します。

目次

ロープアクセスとは

ロープアクセスで壁の点検をする作業員

ロープアクセスとはロープ高所作業の技術の一つです。ロープやアンカーなどの装備と機材を使用して、ロープで身体を支えながら高所作業する仕組みになっています。

日本では2016年に労働安全衛生規則にロープ高所作業が定められ、ロープアクセスの注目度が高まっています。

ロープアクセスは欧州でのクライミングやケービング(洞窟探検)で古くから用いられてきた技術を産業用に応用したものです。2本のロープと2つのアンカーポイントを使用して、上下左右に自由に移動できるシステムが整えられています。

ロープが切れるなどのトラブルがない限りは墜落のリスクがない安全な装備になっているため、ロープ高所作業でよく用いられるようになっています。

ブランコ工法との違い

ブランコ工法で窓清掃をする作業員

ロープアクセスと同様にロープを使う無足場工法として「ブランコ工法」というものもあります。ブランコ工法もロープアクセスと同様にロープとアンカーを使うのが一般的です。

しばしばブランコ工法はロープアクセスと同じと解釈されています。しかし、厳密に言えばブランコ工法とロープアクセスは安全性の面で違いがあります。

ロープアクセスでは安全基準を満たした産業用の装備を使用しなければなりません。装置の仕組みに合わせて移動する方法はシステム化されているので、誰でも少し訓練をすれば自由に動けるようになります。

しかし、ブランコ工法には使用する装備や移動方法についてのルールやシステムがありません。レジャー用の簡易な仕組みの装備や産業用に比べて強度が低いロープを使用する場合があります。

つまりロープアクセスはブランコ工法の中で作業者の安全性を重視した技術と考えると良いでしょう。

ロープアクセスのメリット

メリットとデメリット イメージ

ロープアクセスにはどのようなメリットがあるのでしょうか。日本では足場を組んで高所作業をするケースが多いですが、ロープアクセスにするとメリットがあります。

足場を組む場合と比較して何が良いのかを簡単に確認しておきましょう。

足場を組めない場所でも作業できる

ロープアクセスは狭い、地面がないどの理由で足場を組めない場所でも作業できるのがメリットです。

狭い家の間で壁の補修をする、海岸の崖の上にある建物の崖側で作業するといったこともできます。

コストを削減できる

ロープアクセスなら足場の設置コストがかからないので、工事にかかるトータルコストが下がります。

悪意のある人が足場を勝手に使用して隣の家に不法侵入するといったトラブルは足場を設置するとときどき起こります。リスク回避のために警備員を置く必要もないのでコストがさらに削減されるでしょう。

作業を速やかに開始して撤収できる

足場を設置しないことで作業をすぐに始められます。足場の設置には許可申請をした後、一日以上かけて足場を組み立てることが必要です。

作業が終了したら足場を撤去するのにまた時間がかかります。ロープアクセスなら足場の設置や解体が不要なので、速やかに施工を終えることができます。

ロープアクセスのデメリット

工事中の東京駅

ロープアクセスには足場を組む作業と比べてデメリットもあります。問題点を理解して、ロープアクセスを適切に使っていきましょう。

作業内容に制限がある

ロープアクセスでは作業の内容に制約があります。両足を地に付けて作業をすることができないため、踏ん張りが効かず、力が必要な作業をするには不向きです。

力が必要な作業のときには足場があった方が効率が上がる場合もあるでしょう。

安全対策の必要性が高い

ロープアクセス工法は安全対策の必要性が高いということがデメリットともいえます。

十分な安全対策をしていれば墜落のリスクはありませんが、フルハーネスの装着がきちんとできていなかったり、ロープが古くて強度が低下しているのに気づいていなかったりすると安全面のリスクがあります。

また、高所から工具を落としてしまい、通行人を怪我させるリスクもあります。安全に作業できる装備を整えて点検をしてから作業を始めるのが大切です。

まとめ

ロープアクセスは高所での無足場工法として安全性と機能性を兼ね備えている技術です。移動方法に慣れれば多様な作業に対応できます。

足場なしで作業できるため、足場の設置ができない場所で作業することも、足場の設置や撤去にかかるコストや時間を削減することもできる魅力的な工法です。ロープアクセスでは安全に作業できるように装備の整備と点検が欠かせません。

ロープやフルハーネスなどの準備を整えて、ロープアクセスによる作業に対応していきましょう。

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